文=鈴木健一郎 写真=B.LEAGUE

逆境で踏ん張る栃木、付け入る隙を与えない千葉

千葉ジェッツと栃木ブレックス、レギュラーシーズンの勝率1位と2位が激突したチャンピオンシップのセミファイナル第2戦。ホームコートアドバンテージを得た千葉が40分間に渡り緩みのないプレーを見せ、2連勝でチャンピオンシップ進出を決めた。

重い展開となった前日の第1戦とは打って変わり、立ち上がりから両チームともシュートタッチ好調で得点を重ねる展開に。栃木はライアン・ロシター欠場の穴を『第3の外国籍選手』アンドリュー・ネイミックが埋めて速い展開に応じる。ただ、その後はスコアは伸びるも目立つのはディフェンスとリバウンドという、プレーオフらしい試合となった。

ジョシュ・ダンカンにオフェンスリバウンドが落ちそうなところを田臥勇太がトップスピードで駆け戻って阻止。その田臥の激しいプレッシングを逆手に取って、田口成浩が3ポイントシュートを狙いつつファウルを誘う。すると田臥はお返しとばかりに、高い位置でジェフ・ギブスとのダブルチームで田口を囲い込んでボールを奪い、速攻に持ち込む。互いに高い集中力を保ち、バチバチのマッチアップが続いたが、それでもダンカンの意表を突く3ポイントシュート成功、さらには富樫勇樹のスティールからワンマン速攻が飛び出したことで、千葉が26-21とリードして第1クォーターを終える。

第2クォーターも勢いは千葉。それでも、竹内公輔が身体を張ったディフェンスで踏ん張り、攻めに転じれば走力自慢の千葉よりも速く駆け上がることで活路を切り開く。また山崎稜が千葉のペースを狂わせようとオールコートでプレスを仕掛ける。泥臭い仕事に徹する2人の働きで、栃木は悪い流れの中でも踏み留まった。

ただ、千葉のディフェンスもなかなかズレを作らせず、綻びを見せない。比江島慎はアキ・チェンバースにフェイスガードで守られてアタックに持ち込めず、ギブスも中央突破のコースを見いだせない。前半で11本得たフリースローの成功が6本に留まったのも、勢いに乗れない原因となった。終盤に富樫の3ポイントシュート、セカンドチャンスから組み立て直してギャビン・エドワーズのドライブで得点を重ねた千葉が、41-34とリードして前半を終えた。

富樫の絶妙アシストを西村が決めて、激闘に決着

第3クォーターに入り、遠藤祐亮が前半は決まらなかった3ポイントシュートをねじ込み、続いて華麗なパスワークから渡邉裕規にもオープンで3ポイントシュートを打たせるが、これが決まらない。逆に千葉お得意の速い展開で富樫からマイケル・パーカーへの合わせ、またチェンバースの単独ドライブを決められ、開始2分で後半最初のタイムアウトを使うことになった。

千葉も、鵤誠司に速攻を浴びるミス一つを犯しただけで、即座にタイムアウトを要求。あらためて集中し直したことで、パーカーのイージーレイアップ、パスで崩してダンカンのバスケット・カウント、富樫のコーナースリーとビッグプレーが立て続けに飛び出し、千葉が流れに乗る。

栃木は田臥をコートに戻して流れを変えようとするも、竹内とのスピードのミスマッチを突いた富樫が3ポイントシュートを沈め、今度はダンカンがポストアップから竹内を押し込んで再びのバスケット・カウント、オフェンスリバウンドを奪ったギャビン・エドワーズのゴール下と、常に千葉が先手を取って2桁のリードを保つ。

最終クォーターに入っても千葉は攻守の強度を落とさず、2桁のリードを守り続ける。オフィシャルタイムアウトの時点で74-63。栃木としては最後の反撃に出たいところで、逆に千葉にビッグプレーが飛び出す。リバウンドを拾ったダンカンのボールプッシュから富樫に繋ぎ、3ポイントシュートを打つと見せかける牽制からドライブ。栃木ディフェンスの注意を一身に集めて、外で待つ西村にビハインド・ザ・バックでパスを送る。このチャンスを西村が確実に決めて79-63、船橋アリーナを沸かせる魅惑の一発で千葉が大きく抜け出した。

栃木は最後まであきらめず必死のプレーを続けるも、第3クォーターの最後には遠藤が個人ファウル4つ目、鵤もジャンプシュートの着地でディフェンスの足に乗るケガで続行不能となっていた。終盤には比江島とギブスもファウルアウトとなる中でファウルゲームに持ち込んで4点差と肉薄するも、逆転まで持っていく力は残っておらず。最終スコア88-83で千葉が勝利している。

21得点8アシストで、2シーズン連続のファイナル進出の立役者となった富樫勇樹は「1年間、良いライバルとして戦ってきた栃木の分まで、ファイナルで良い試合をしなければいけない」と意気込む。昨シーズンのファイナルではアルバルク東京に完敗を喫した。悲願のBリーグ初優勝に向けてあと1勝。難敵の栃木を撃破したことで、チームには自信がみなぎっている。