「うれしさはあるけど、優勝しないと」

千葉ジェッツはアルバルク東京に連勝し、レギュラーシーズンの勝利数をリーグ新記録となる50に到達させるとともに、激戦の東地区での優勝と全体勝率1位を確定させた。昨日の第2戦、富樫勇樹はゲームハイの28得点、さらには7アシスト3スティールと大活躍で、87-76の勝利に貢献。優勝セレモニーとブースターとの記念撮影では大喜びしていたが、会見に現れた時には気持ちを切り替えており、「ゲーム差もあったし、東地区優勝はこのまま行けばできるだろうと思っていたので。うれしさはありますけど、昨シーズンほどじゃない」と素っ気なかった。

「もちろん、この長いレギュラーシーズンを通して東地区で、さらに今日Bリーグの最多記録の50勝をもうやれたといううれしさはあります。それでも優勝しないと、って思いがあります」

強豪揃いの東地区、水曜ゲームを何度も挟む過密日程、しかも合間には日本代表の活動が入ってきた。決して簡単なシーズンではなかったが、そこを乗り越えて得た自信がある。

過去2シーズンからの変化について、富樫は「集中力ですかね」と語る。「常に高いレベルでプレーできるようになったと思います。そこは本当に今シーズン感じるところです。気持ちの入っていない試合がほとんどなく、(小野)龍猛さんだったりジョシュ(ダンカン)だったりが離脱した時も、そこもチームで助け合い、ずっと繋いでこれたので、この結果になりました」

集中を保つようになり、千葉は隙のないチームになった。「自分たちの思い通りに行かなくても、なんだかんだ接戦までいって、今年はその接戦を勝ちきれました。特に昨日の試合なんて、オフェンスは一切チームとしてやりたいことはさせてもらえなかった印象ですけど、最後の最後に勝利をつかめました。大野(篤史ヘッドコーチ)さんがよく言う、勝ち負けよりも40分間常に相手よりエナジーのあるプレーをしようと、それを選手全員が心掛けている結果かなと」

プレーオフで求められる『出ている5人で解決する力』

もっとも、昨シーズンも千葉は激戦の東地区を勝ち抜いたし、ファイナルへと駒を進めたが、優勝にはあと一歩及ばなかった。「結果がすべてだと思うので、チームとしても個人としてもかなり自信がありますし、今年こそ『取りたい』というか『取らなきゃいけない』と思っています」と富樫は言う。

ここからはチャンピオンシップに向けた準備が本格的に始まる。「改善というよりは、トーナメントで相手が今まで見せなかった守り方だったりをしてくるので、そこでしっかり、試合試合で、瞬間瞬間で対応できるチームにならないと優勝はできないと思います。チームとして共通認識を持ってやっていきたい」

思い返せば、昨シーズンのファイナルでは千葉有利の下馬評を覆され、A東京に完敗を喫している。今シーズン、レギュラーシーズンの対戦では5勝1敗と圧倒したが、次にファイナルで当たるとしたら、過去の成績は当てにならない。A東京を率いるルカ・パヴィチェヴィッチは連敗したにもかかわらず「ファイナルの日まで、チャンピオンは我々だ」と自信を失ってはいなかった。

千葉は自分たちのバスケットを貫くことで結果を出してきた。だからこそ研究と対策はやりやすい。チャンピオンシップを勝ち抜くには千葉が乗り越えなければいけない課題だが、富樫は「そこはまあ難しいですけど」と言いながらも、こちらも確固たる自信を持っている。

「チームとして水曜の試合が多く、ほとんど練習をしていない中で臨む試合が多かったので、その中で大野さんも『試合で間違いが起こるから、試合中にコミュニケーションを取って、出ている5人で解決してくれ』とよく言っていました。それができたからこその結果だと思うし、その力がついてきていると思います」

Bリーグ初優勝に向けて、ここまで積み上げた実力には自信がある。「だからと言って気負いすぎずに、今までどおりのプレーをチャンピオンシップでもしていきたい」と富樫は言う。三度目の正直、で優勝を決められるか。束の間の休養を挟み、シーズンはクライマックスを迎える。