内外から得点を重ね、チームを牽引

アルバルク東京は、ケガ人を多く抱える手負いのサンロッカーズ渋谷に110-61で勝利した。これは今シーズン最多得点記録、さらに最多得点差記録を更新するものであり、完全勝利と言える。

この試合、SR渋谷はスクリーンに対して、ディフェンスの下を通ってドライブを防ぐ『アンダー』の対応に終始した。これは、前節の千葉ジェッツ戦で使った奇策である。千葉戦では富樫勇樹に18本もの3ポイントシュートを打たせ、チーム全体で36本中12本の成功(33.3%)に抑えたことで、ある程度成功していた。だが、A東京はこの作戦を読んでいた。田中大貴は言う。

「千葉戦で富樫がああやってアンダーされてましたし、考えていました。いろんなシチュエーションを想像しながら試合に入って、いつも練習でやっている通り、リズム通りできました」

その言葉通り、田中はアンダーした瞬間に立ち止まって悠々と3ポイントシュートを放ち、試合序盤で2本を成功させて先手を取った。さらに田中は「広瀬(健太)さんがいなかったので、サイズでミスマッチができると事前にヘッドコーチから話があったので」と、ミスマッチを突くポストプレーから得点を重ねた。

アンダーで守られると、外のシュート中心の組み立てになりやすい。だが田中は「外だけにならないように上手く使えたかな。考えてやりました」と言うように、ポストプレーをうまく取り入れることで内外バランス良く得点して、チームに良い流れをもたらした。

第1クォーターだけで12得点を挙げた田中は、その後も状況判断良くバランスを取りながら19得点を記録している。

シュートが決まらず「マイナスな方向に考えてしまうことも」

序盤に2本の3ポイントシュートを沈めた田中だが、その後は2本を外し、4本中2本の成功。シュートが苦手な選手ではないが、こと3ポイントシュートに限り、今シーズンは確率が上がってこない。ルーキーシーズンを含む過去5シーズンの中で2度、40%を超える3ポイントシュート成功率を残している田中だが、今シーズンは30.2%と低調だ。

シュートが外れても田中のポーカーフェイスは崩れない。それでも「今日は良いなと思ってもシュートが外れ、フラストレーションが溜まったりしてました。ネガティブになるというか、マイナスな方向に考えてしまうことも、今シーズンは結構多いです」と内心のモヤモヤを明かす。

シュートが外れて感情の起伏が出てしまう選手は多い。コート上で感情を表すことは決して悪いことではないが、負の感情を表に出すと、得てしてパフォーマンスは低下するもの。田中はそれを理解しているからこそ、「切り替えてやらなきゃいけない」と強調した。

「入った、入らないを気にするのではなくて、シュートに行くまでの過程がすごく大事なので、そこに集中してやっていきたいです。シュートが外れても、自分のシュートのタッチが悪いからといって、それでディフェンスに引きずるのではなく、あくまでもディフェンスからオフェンスという、そこは崩さないようにやっていきたい」

チャンピオンシップの出来を左右しかねない栃木戦

A東京は今日から東地区2位の栃木ブレックスとの連戦を戦う。チャンピオンシップで対戦する可能性を考えると苦手意識は持ちたくない。田中は栃木戦でのポイントを「オフェンスリバウンドがすごく強いので、そこをやらせず、セカンドチャンスを与えないことが大事です」と語る。

「比江島(慎)選手が入って初めての試合で、彼が入ることによって、オフェンスの起点が一つ増えてると思うので、間違いなくタフな試合になると思います。ジェフ(ギブス)だったり(ライアン)ロシターは足があり、スイッチするイメージがあるので、アレックスの所でうまくミスマッチを突きたい。逆に自分たちのスピードのミスマッチから1対1をしたり、そこをうまく見極めて、ターンオーバーだけはしないようにしたい」

シーズンが進むにつれて調子を上げているA東京は、後半戦で栃木と千葉ジェッツにしか負けておらず、栃木との戦績は2勝2敗の五分だ。ここで勝ち越すことができれば、チャンピオンシップに向け、チームの士気は高まるに違いない。「チャンピオンシップ前の大事な戦いだと思いますし、ポジティブなイメージを持ってチャンピオンシップに入りたい」。その田中の願望が叶うかどうかは、今日からの決戦に懸かっている。