田臥が比江島が、千葉の強みを消して流れを呼び込む

千葉ジェッツと栃木ブレックスによる『B1頂上決戦』。千葉のハイテンポなバスケを止められずに初戦を落とした栃木だったが、3月31日の第2戦ではトランジションオフェンスを封じ、ロースコアゲームに持ち込むことで72-70と接戦をモノにした。

試合序盤、互いにディフェンスの強度が高く重たい展開となったが、遠藤祐亮が連続でターンオーバーとミスが出た栃木が、そこから走った千葉に8-2と先行される。だが、途中出場の田臥勇太がボールをプッシュしてアウトナンバーを作り出し、逆転となる比江島慎の3ポイントシュートをお膳立て。遠藤も3ポイントシュートで続き、16-16で第1クォーターを終えた。

そして、第2クォーターから栃木の強みが目立ち始める。千葉の大野篤史ヘッドコーチが「オフェンスリバウンドを取られると僕たちのブレイクが出ません。自分たちの強みが消された」と振り返ったように、制空権を奪った栃木がリードを奪う。

このクォーターだけで2つのオフェンスリバウンドを奪取し、それを得点に繋げた竹内公輔を筆頭に、栃木は5-1とオフェンスリバウンドで上回り、セカンドチャンスポイントで7得点を稼ぐ。その結果、千葉の強みであるトランジションオフェンスに持ち込ませず、停滞させた時間帯を比江島が突いた。小野龍猛のポストプレーを封じ、パスカットから渡邉裕規の速攻をアシストするなど、8得点2アシスト2スティール1ブロックと活躍を見せた比江島の働きにより、栃木が38-28と10点をリードして前半を折り返した。

肉弾戦に持ち込むも、あと一歩届かなかった千葉

だが、後半に入るとインサイド陣が奮起した千葉の逆襲が始まる。大野ヘッドコーチが「肉弾戦」と表現したように、ギャビン・エドワーズを筆頭としたインサイド陣にボールを集め、パワープレーで打開を図る。インサイドで優位に立ち、開始3分で栃木のチームファウルを4に到達させると、富樫勇樹の速攻が決まって6点差まで詰め寄った。

だが栃木は、残り5分でチームファウルが5に到達してから踏ん張る。このクォーターで10個ものオフェンスリバウンドを奪われたが、千葉に与えたセカンドチャンスポイントは3点のみと、粘りのディフェンスで苦しい時間帯を耐え、ライアン・ロシターや竹内が要所で速攻を決めることで千葉の反撃によるダメージを最小限に留めた。

53-46で迎えた第4クォーターも膠着が続くが、栃木は第3クォーターと同様にインサイドを攻め立てられ、残り6分でチームファウルが5に到達。ここから千葉の猛反撃を浴びることになる。それまで3ポイントシュートは12本中成功わずか2本と栃木ディフェンスが封じていたが、数少ないシュートチャンスで、石井講祐に連続で3ポイントシュートを決められ、さらにはインサイドを力強く攻め立てるジョシュ・ダンカンのフリースロー2本成功もあり、残り3分21秒で3点差と肉薄された。

だが、この直後に石井が5ファウルで退場に。大野ヘッドコーチも「あの後、彼でもう一回と思っていたので残念だった」と悔しさを滲ませた。代わって入った田口成浩にフリーでシュートを打つチャンスが2度巡って来たが、どちらも決まらず。コート内で最も調子の良かった石井をあそこで欠いたのは大きな痛手であり、これで千葉の勢いは止まってしまった。

残り46秒、68-65で栃木の攻め。残り26秒まで時計を進めた上で渡邉が放った3ポイントシュートが外れるも、このリバウンドをロシターがチップアウトし、栃木がポゼッションを確保した。どの得点よりも重要なリバウンドをロシターに取られたシーンを、大野ヘッドコーチは「あのボールは取らなければいけなかった」と振り返る。栃木はファウルゲームを乗り切り、2点差で接戦を制した。

安齋ヘッドコーチ「ディフェンスで基本に立ち返った」

栃木の安齋竜三ヘッドコーチは、チーム一丸の勝利であることを次の言葉で強調する。「昨日のゲームは完敗で、千葉さんのやりたいことをやり続けさせてしまった。トランジションの部分とプレッシャーとディナイ、ディフェンスで基本に立ち返った。今日は40分間、誰が出てもそれを遂行してくれたので勝ちに繋がった」

試合を通してファウルがかさみ、結果的に25本のフリースローを千葉に与えた(そのうち20本が成功)が、ある程度は作戦通りであったことを明かした。「今日は最悪ファウルを使っていいと言っていました。簡単にやられるならファウルをして、フリースローのほうが相手に流れが行かないというところで、全員が遂行してくれた」

一方、千葉の大野ヘッドコーチは、インサイドで優位に立ったものの、セカンドチャンスポイントを決められなかった点を敗因に挙げた。「肉弾戦をしたから、リングの近くでシュートを打てた。リングの近くに人がいるから、オフェンスリバウンドが取れました。ただそれを確率良く決めきれなかった。ウチはセカンドチャンスをモノにできず、栃木さんはセカンドチャンスをモノにした」

『B1頂上決戦』は1勝1敗の痛み分けに終わり、栃木としては『不連敗』記録を継続させる大きな勝利となった。そして、レギュラーシーズンの戦績は3勝3敗と全くの五分に。両者はポストシーズンでも対戦する可能性が高く、最終決着はチャンピオンシップに持ち越された。