栃木の得点源を封じ、チームに勢いを与える大仕事

リーグ最高勝率をキープする千葉ジェッツは敵地に乗り込み、2ゲーム差で迫る栃木ブレックスを3点差で退けた。

栃木を指揮する安齋竜三ヘッドコーチが「前半は自分たちのやろうとしてることができなくて、千葉さんに好きなようにやられた」とコメントしたように、千葉は前半で14点のリードを奪った。特に第2クォーターをわずか8失点に抑えたディフェンスが光ったが、その堅守を支えたのが原修太だ。「遠藤(祐亮)さんや比江島(慎)さんが仕掛けてきましたが、1対1の部分では、自分の中でも完璧に守れたと思います」と、控えめな原には珍しい自画自賛。栃木の得点源である2人をシャットアウトした。

16-29と栃木の反攻を受けた第3クォーターでは、「複数人が絡むプレーの時にコミュニケーションミスが起こってしまった」と話したように、連携ミスからマークが甘くなり、3ポイントシュートを許すなど課題も残した。それでも、勝負の最終クォーターでは、フル出場のギャビン・エドワーズに次ぐ、8分34秒間コートに立ち続けた。

接戦の勝負どころを託されることは、選手にとってはスタッツを残す以上に価値がある。千葉の大野篤史ヘッドコーチは、原の起用の理由をこのように説明した。

「守り合いになる予想だったので、インテンシティレベルの高い人間を5人入れようと思いました。オフェンスでアドバンテージがあれば、多少のディスアドバンテージなところは目をつぶろうかと思ったんですけど、アキ(チェンバース)と原のインテンシティレベルのほうが上かなと。オフェンスよりもディフェンスで勝負したほうがいいかなと思って出しました。シューターはいなかったけど良かったです」

「日本一のチームで練習してるという自信」

千葉には石井講祐や田口成浩というリーグ有数のシューターがおり、ポストプレーで違いを生み出せる小野龍猛もいる。それでも大野コーチが言うように、守り合いという状況では彼らの武器よりも原のディフェンスが上回ったということだ。しかも原は、劣勢な場面で1点差に詰め寄る値千金の3ポイントシュートも沈めている。

こうした勝敗に直結する働きを見せたが、気負わず自分のやるべきことをやった結果と原は言う。「相手のエースだったり、シューターにつくことが多く、出たらハードにプレーすることだけを考えています。なので、いつもと違うことをしたというよりは、いつもと同じマインドで試合に臨めて、それが今日はうまくいきました」

ここまで先発こそ2試合しかないが、昨シーズンと比べてプレータイムは微増している。千葉のチーム内競争は熾烈を極め、プレータイムを確保することは難しい。原も昨シーズンまでは、試合に出れないストレスを溜めていたというが、現在は別の境地に達している。

「昨シーズンは『何で出れないんだろう』ってすごい考えたりして、うまくいきませんでした。でも今年はあまり考えず、プレータイムが少なくても常に準備していますし、日本一のチームで練習してるという自信があるので。出れなかったら悔しいという部分はもちろんありますが、それを考えすぎてはいません」

エースキラーの自負「自分の仕事をするしかない」

プロ選手である以上、試合に出たいと願うのは当然。逆にそうした競争心がなければ問題だ。千葉は天皇杯3連覇を達成したが、原は試合に出れず「悔しかったというか、複雑でした」と、素直に喜べなかったという。だが「次の栃木戦でチャンスをもらえました。チャンスは必ずあるので、それをモノにして自分の仕事をするしかない」と、大野ヘッドコーチの起用法を理解し、自分の生きる道を模索している。

昨日の勝利で、千葉は連勝記録を更新する14連勝を達成した。「ブレックスアリーナでは記憶の限り、良い思い出がほぼないので」と、苦手意識のある敵地での勝利に、原の喜びもひとしおだった。

第2戦を落としてしまえば、勝利の意味は薄れてしまう。「今日だけではなく、明日も勝って悪いイメージを払拭したい」と原が言うように、千葉としては2連勝することが重要となる。ただし栃木はここまで一度も連敗をしていない。この『不連敗神話』を崩すことができれば、千葉の苦手意識は完全に払拭されるはずだ。そのためには、昨日のような原の活躍が必要となる。