12月2日、『FIFA 19』によるeスポーツの世界大会「FUT Champions Cup」の決勝ラウンドがルーマニアの首都ブカレストで開催された。若干17歳のイギリス人プレイヤーDonovan “Tekkz” H…

12月2日、『FIFA 19』によるeスポーツの世界大会「FUT Champions Cup」の決勝ラウンドがルーマニアの首都ブカレストで開催された。若干17歳のイギリス人プレイヤーDonovan “Tekkz” Hunt選手(以下Tekkz選手)が、昨シーズンのFUT Champions Cupバルセロナ大会に続き、2度目の栄冠を手にした。

Tekkz選手は決勝戦、先月パリで行われた「Continental Cup 2018」優勝のアメリカ代表Joksan選手と対戦。その難敵Joksan選手を、7対1(1stレグ3-0、2ndレグ4-1)という衝撃的なスコアで粉砕した。Tekkz選手は5万ドル(約565万円)と、「FIFA eWorld Cup 2019」(以下eW杯2019)出場権へと繋がる1,500グローバルポイントを手にした。

Tekkz選手は試合前、「賞金は重要ではない。何よりチャンピオンになりたい。自分の(相応しい)位置に再び戻ってきたい」と語っていたが、有限実行の結果となった。16歳で初優勝を飾ってから約1年ぶりの栄冠であり、インタビューの行間から、その後のプレッシャーや苦労も垣間見えた。

思いがけない大敗を喫したJoksan選手は試合後、「Tekkz選手が素晴らしいプレイをした。正直、落胆しているが、同時に(準優勝を手にして)驚いてもいる。一步、eW杯2019に近づいたと思う。2週間後にすぐロンドンで(今シーズン2回目のFUT Champions Cup)大会なので、再び決勝に残りたい」と感想と今後の抱負を語った。

なお、同選手はTwitterで「Xbox One」を同大会の賞金3万ドル(338万円)から購入すること(※)を表明したところ、同選手のファンからは「まだ、持っていなかったのか!?」と逆に突っ込まれるかたちとなった。

※FUT Champions Cup及びFIFA eWorld Cup「決勝戦」のレギュレーションは、PlayStation4とXbox Oneの両コンソールの試合を交互に行い、合計得点によって争われる。先月、Joksan選手が優勝した「Continental Cup 2018」は、PlayStation4のみによる国際大会であった。

今大会の特徴として、ベスト8に残った選手たちが全て異なる国籍であったことが挙げられる。特に非ヨーロッパ圏出身の選手の健闘が目立った。


(EA Sports社FIFA選手管理部門プロデューサーJoel Doonan氏のTwitterより)

最も印象的な活躍を残したのは、FIFAシリーズの世界大会初参加となったブラジル代表Tore選手であろう。今大会のPlayStation4部門決勝まで勝ち上がり、Joksan選手に肉薄する試合展開を見せた。惜しくも3対4と敗戦したが、試合を観戦していた各国のプレイヤーたちから「今大会はTore選手の大会だ」という声も挙がっていた。


(韓国代表Serryworld選手のTwitterより)

また今大会、「4-2-3-1」フォーメーションを多くの選手が使用していたことが顕著な傾向としてあった。優勝したTekkz選手は、レジェント・ロナウド、ペレ、エウゼビオ、クリスティアーノ・ロナウドの前線4枚が非常に強力な攻撃を展開していた。現段階では、「4-2-3-1」が最も効果的なフォーメーションと言えるだろう。


(写真:会場内、実際のサッカーにも活用されるタッチパネル式デバイスで試合戦術を解説していた)

同大会はeW杯2019の出場権を懸けて争われる、FIFA19グローバルシリーズの主要大会。全6回に渡って開催され、今回が初回の大会となる。世界22カ国から64名の選手(プレイステーション4とXbox Oneで各32名)が、ルーマニアの首都ブカレストに集結。日本からはアジア・オセアニア予選を突破した、つぁくと選手(Blue United eFC)がプレイステーション4部門に出場。なお、同選手は惜しくも予選ラウンドで敗退した。

(取材・文●VAMOLA eFootball News編集部)