拮抗した展開で見つからない勝因

「お互いにいつ試合をしても、こういうゲームになると想像してやっています。戦いたい相手ではないです」。富樫勇樹がそう話すほどタフな連戦だった。

先週末、千葉ジェッツは敵地に乗り込み、アルバルク東京と2試合を戦った。初戦は残り23秒で2点差まで迫るも逆転には至らずに敗れた。だが第2戦では、3点差まで迫られるもそれ以上の追撃を許さず5点差で勝利し、先日の雪辱を果たした。

1本のフリースローや、一つのミス。勝敗を分けたポイントを絞ることは難しい。勝因を聞かれた富樫も「もう分からないです」と断定することはできなかった。それだけ拮抗した試合だったことを物語っている。

それでも「この2日間、80分間を通してチームとして高いインテンシティでプレーできたことに関しては満足してます」と言うように、ディフェンスでの勝利だったことは間違いない。

指揮官の大野篤史も「選手がタフに40分間戦ってくれたことが勝利に繋がった」と富樫と同様の見解を示し、ハードワークが勝利を呼び込んだと選手を称賛している。

「受け身にならず」、反撃をしのぐ

リードを守り切っての勝利となったが、第2クォーターには約5分間A東京を無得点に封じ、最大で18点のリードを奪った。だが富樫は「必ず相手は前半よりも高いインテンシティで来るというのは全員が分かっていたので、それで勝ったという意識はまったくなかった」という。

千葉は攻守が噛み合い、得意のトランジションも出たことで大量リードを得た。慢心がなかったとはいえ、千葉のオフェンスの破壊力を考えれば、試合を決めに行ける可能性もあったはずだ。だが富樫にそうした思いはなく、「よく13点差で前半を終えられた」という認識だったという。

「ディフェンスが堅くテンポもコントロールできるチームなので、なかなか自分たちのしたいバスケットが展開できない時間帯も多いです。最後は詰められたとはいえ、すごい上出来だったと思います」

バスケは波乱が起きにくいスポーツではあるが、今シーズンのBリーグでは、20点前後の逆転劇がすでに何試合か発生している。過信せずに「しっかり受け身にならずにできた」結果が、3点のリードを保ち続けたことにつながったのだ。

分かっていても止められない、高速トランジションオフェンスが千葉の代名詞となっているが、それを可能にするのがディフェンスであることをチーム全員が分かっている。A東京を相手に、チームの目指す形を体現し勝利を手にしたことで、千葉はまたもう1段階上のステップに進んだのかもしれない。「大崩れしない部分はチームの成長」と話す富樫と、「逆転されなかったことが成長」とコメントした大野コーチ。エースと指揮官が共通認識を持っているところに、それを感じさせる。