電通とスクラムベンチャーズが共同で開催するワールド・アクセラレーション・プログラム「SPORTS TECH TOKYO」が2019年より始まる。それに先駆け10月31日、日本向けのプログラム説明会が東京・日比谷ミッドタウンで行われた。

「SPORTS TECH TOKYO」は、スポーツ分野で優れた技術や事業アイデアを持つスタートアップを世界から募り、メンタリングをはじめとする独自のプログラムで約1年間の支援を行う。有力パートナー企業との事業共創に加え、日米の競技団体、プロリーグ、チーム、スポーツ関連企業の関係者や選手を「スポーツアドバイザリーボード」に迎え、参加スタートアップに対しネットワーキングやプレゼンテーションの機会を提供していくという。

説明会ではスペシャルセッションとして、元サッカー日本代表監督の岡田武史氏、インターネットスポーツメディア「スポーツブル」を運営する黒飛功二朗氏、「統計学が最強の学問である」の著者、西内啓氏、スクラムベンチャーズの宮田拓弥氏が登壇。「テクノロジーでスポーツの未来はどう変わるのか?」をテーマにトークセッションを行なった。

岡田氏は「日本のスポーツビジネスがなかなか成功しない理由」に自身の経験から次のことを挙げた。

「ドイツに住んでいたことがあって、ヨーロッパでは週末、家族で遊びに行く選択肢として、少々つまらなくても、雨が降っていても、サッカー観戦以外やることがないんです。日本は週末やることだらけなんです。日本は、何でも出来る。そのときにサッカーの試合はやっています。強いです、面白いですだけでは、それをネットを使って繋ごうが、プラスアルファをつけないと日本では絶対に成功しないんです。僕が今、スペースがあると思っているのがスポーツとアートとエンターテインメントだと思っていて、そこでLDHさんだったり、吉本興業も協力してくれているので、それだったらスポーツとエンターテインメント、サッカーを知らない人が来ても、サッカーを見なくても、試合で負けても楽しかったと言ってもらえるところを作ろうと思っています。そういう日本初の新しいスポーツテックみたいなものを考えないと日本では難しいような気がします。」

岡田氏が語った「日本初の新しいスポーツテック」それに対して黒飛氏は来年新たな取り組みを考えているという。

「全然違う形の方向性でサービスを2つ拡張しようとしていて、1つはもちろんスポーツなので、スマートフォンで見ているだけでなく、現地に行く。スポーツではよく「見る」「する」「支える」と言われていると思うんですが、今、スポーツブルでは「見る」だけをやっているんです。これからは「する」「支える」というところのプラットホームをまず作りたいというのはありますね。もう1つは、既存の試合映像をどれだけ配信しても見てくれない方というのはやっぱりいると思うんです。そういう状況でいうと、付加価値の部分だったり、もう少し小さいときからその競技に触れる仕組みというのが、作れるといいと思っています。スポーツに触れる、接触機会を増やすというのが一言なんですけど、そのまま全員がトップアスリートになるわけではないという状況の中で言うと、小さい時にスポーツを頑張っていたという経験って、ビジネスマンになっても必ず活きているというのが、何とく周りの方を見ている中で感じられます。やはり、もう一度エンターテインメントだけじゃなくて、さらにプラスアルファ、堅苦しい意味ではない教育だったり、憧れる対象を持つということの価値というところに、来年はアプローチ出来ればなというふうには思っています。」

そして最後に西内氏が、スポーツテックが持つ可能性について、こう締めくくった。

「近代オリンピックって実は蒸気機関が生まれたあとに行われているんです。SLより絶対に速く走れるわけないのに、わざわざ我々はマラソンをして、それに対して感動をしてというところがあるので、そうすると最終的な身体性だったりとか、選手やコミュニティに対する感情的な思い入れとかそういった価値がこれから大事になってくるタイミングなので、だから今からスポーツテックというのは、投資としてリーズナブルなんじゃないかなと思っています。」

<SPORTS TECH TOKYOの概要>

・概 要:スポーツをテーマとした日本発のワールド・アクセラレーション・プログラム
・特 徴:①世界中からスタートアップを募集
     ②プログラムは日本と米国で開催
     ③国内外のスポーツ関係者とのネットワーキング&プレゼンテーション機会の提供
     ④プロダクト・サービスに合わせて実証実験の環境など活性化機会を提供
     ⑤投資を含むさまざまなビジネス機会の提供
・主 催:株式会社電通
・プログラムパートナー:スクラムベンチャーズ社
・開催期間:2019年1月から約1年間
・開催場所:日本(東京)、米国(サンフランシスコ市ほか)
・公式ウェブサイト:http://www.sportstech.tokyo
・スケジュール:
◇スタートアップ募集期間:2018年10月2日8時00分より2019年1月7日23時59分(太平洋時間)まで。
◇事業開発ラウンド:2019年1月から約半年間。キックオフ、マッチング、メンタリングなどを行う。
◇活性化ラウンド:2019年中盤から約半年間。それぞれのプロダクト・サービスに合わせて実証実験などを行う。