国内ビーチバレーボールツアーの最後を締めくくる『ジャパンビーチバレーボールツアー2018ファイナル グランフロント大阪大会』(9月22日~23日)が、大阪のまさに中心地、多くの乗降客や観光客が行き交うグランフロント大阪 うめきた広場(大阪市北区)にメインコートを設けて行なわれた。メインコートと3つのサブコート(大阪市都島区・毛馬桜之宮公園)には、観戦無料とはいえ、2日間で延べ2万7800人の観衆が集まった。



多くの観衆が詰めかけたツアーファイナル

 ツアーファイナルは、全9戦行なわれた今季ツアーのランキング上位8チームによる”最終決戦”。今季、念願のツアー初優勝を果たした坂口佳穂(22歳/マイナビ)&鈴木悠佳子(30歳/湘南ベルマーレ)ペアも、堂々のランキング1位で大会に臨んだ。

 2組に分かれて各4チームで総当たり戦が行なわれた予選プール。プールAの坂口&鈴木悠ペアは、第1試合で永田唯(29歳)&熊田美愛(27歳)ペアと対戦した。

 永田&熊田ペアは今季、精力的にワールドツアーを回って、メキメキと力をつけてきた。国内ツアーでの優勝はないものの、3位が4回あり、ツアー第9戦の都城大会では準優勝という成績を残して上り調子にある。

 第1セットは、その永田&熊田ペアが序盤からペースを握って、坂口&鈴木悠ペアは自分たちに流れを引き寄せることがなかなかできなかった。レシーブなど、細かなミスを繰り返して攻撃の形が作れず、14-21で1セット目を失う。

 第2セットに入って、「『サーブで攻めていこう』と意識して、流れを少し変えられた」という坂口&鈴木悠ペアも、ようやくエンジンがかかり始めて、互角の展開を見せる。しかし、中盤までは競っていたものの、最後は勢いのある永田&熊田ペアに突き離されて、17-21。坂口&鈴木悠ペアは、セットカウント0-2で初戦を落とした。

 第2試合の鈴木千代(24歳)&村上礼華(21歳)ペアとの対戦も、同じような展開となった。鈴木千&村上ペアはテンポの速い攻撃が持ち味のチーム。その速いテンポに巻き込まれた第1セット、坂口&鈴木悠ペアは終始劣勢を強いられ、頼みの綱となるサーブも効果的に決まらず、15-21で第1セットを奪われてしまう。

 第2セットは坂口&鈴木悠ペアが、鈴木千&村上ペアのスピードある攻撃を止めるため、サーブで相手を前後左右に揺さぶる。それが功を奏して攻撃のリズムを取り戻すと、坂口のスパイクも決まるようになって、21-17で第2セットを取り返した。

 そのまま第3セットも相手のスピードを抑えて競り合いに持ち込んだが、終盤にサーブのミスなどが出て14-16。坂口&鈴木悠ペアは、第2試合も勝利を得ることができなかった。

 これで、坂口&鈴木悠ペアのプール戦敗退は決まったが、今季ツアーの締めくくりとなる大会ゆえ、このまま終わるわけにはいかない。第3試合の石坪聖野(22歳)&柴麻美(23歳)ペアとの対戦では、気持ちを新たにして必勝を期した。

 しかし、わずかに力及ばず、第1セット20-22、第2セット21-16、第3セット14-16と、セットカウント1-2で敗れた。

 初出場のツアーファイナルを3戦3敗で終えた坂口。3戦とも完敗ではなかったが、自らの力のなさに反省の弁を口にする。

「いい形で攻撃ができなかったり、決めなくてはいけないところで決められなかったりした。細かなミスの差が出ている。これが、今の実力だと思う」

 今季は、レギュラーツアー全9戦に出場し、優勝1回、準優勝1回、3位2回という結果を残して、ポイントランキングは1位だった坂口&鈴木悠ペア。ただそれは、強豪チームがワールドツアーへ遠征することが多く、国内ツアーにはあまり出場しなかったこともある。その分、今季を振り返る際にも、坂口、鈴木悠それぞれ、厳しい表情でこう語った。

「(強豪不在の国内ツアーで)もう少し勝ちたかった」(鈴木悠)

「チームの目標は(国内の強豪)メンバーがそろったなかでの優勝だった。だから、目標は達成できていない」(坂口)




今季、成長の跡を示した坂口佳穂

 とはいえ、昨年、一昨年と一度もベスト4入りを果たしたことがなかった坂口にとっては、大きな飛躍を果たした1年であることは間違いない。坂口が言う。

「表彰台にも上がれるようになり、技術的にも少しずつだが、できることが増えて、自分の成長は感じている」

 さらに、ホステスプロとして迎えた『マイナビジャパンビーチバレーボールツアー2018 第2戦東京大会』での初優勝が、精神的な成長につながっているという。

「優勝で、何かひとつ乗り越えられたと思っている。あのお台場で(結果を出すことが)できたので、(どこでも)できないことはない」

 続けて、坂口はこう語る。

「お台場で見せられた技術や精神力を(どの大会でも)いかに出すことができるか。(それを)継続して出せる力を身につけたい」

 サーブやスパイクなど、確かに技術は向上している。優勝時には、勝負どころで決め切る”勝負強さ”も見せた。

 それらの底上げを図って、そこに安定性が加われば、来季はますます活躍できるはずである。坂口佳穂への期待は膨らむばかりだ。