イギリス・ロンドンで行われた「AEGON選手権」(ATP500/6月13~19日/賞金総額180万2945ユーロ/グラスコート)の決勝で、第1シードのアンディ・マレー(イギリス)が劣勢を巻き返し、第3シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ…

 イギリス・ロンドンで行われた「AEGON選手権」(ATP500/6月13~19日/賞金総額180万2945ユーロ/グラスコート)の決勝で、第1シードのアンディ・マレー(イギリス)が劣勢を巻き返し、第3シードのミロシュ・ラオニッチ(カナダ)を6-7(5) 6-4 6-3で下して、ここクイーンズクラブで最多記録となる5度目の優勝(2009、11、13、15、16年)を遂げた。

 第1セットは両者ブレークポイントに直面することなくゲームは進み、タイブレークに突入。ラオニッチがこのタイブレークを取ったあと、続くセットの最初の3ゲームで1ポイントしか落とさないという威圧的なスタートを切る。

 この時点でのマレーは圧倒されているように見えていた。しかしマレーは次の5ゲームを連取することでそのピンチに応じ、セットオールとすることに成功した。

 その勢いを第3セットでも維持したマレーは、第1ゲームでブレークを果たす。そして5-3からもう一度ブレークして、今年2つ目のタイトルを獲得した。

 「言うまでもなく、これは僕にとって大きな意味を持つ大会だ」とマレー。「この大会はレベルの高い大会であり、決勝を含め、倒してきた多くはトッププレーヤーたちだ」。

 マレーは1890年の大会発足以来、今大会で4度優勝した8人の選手のうちの一人だった。連覇は2004、05年に優勝したアンディ・ロディック(アメリカ)以来のことだ。

 マレーはまた、グラスコートの大会での優勝回数で15回のロジャー・フェデラー(スイス)に次ぎ2位の現役選手でもある。ここクイーンズクラブでの5つのタイトルに加え、2012年のロンドン五輪での金メダルと、その1年後のウィンブルドンのタイトルを獲得している。

 この決勝はマレーとラオニッチにとってグラスコート上での初対戦だっただけでなく、イワン・レンドルとジョン・マッケンロー(ともにアメリカ)がコーチとして対面した初めての機会でもあった。レンドルはマレーのコーチング・チームに戻ったところで、マッケンローはいまのところ期間限定ではあるがラオニッチを指導している。(C)AP