リーグ戦開幕に遅れること2週間。今年も1、2年生のみの総当たりのリーグ戦、フレッシュリーグが開幕した。1、2年生にとっては絶好のアピールの場である。慶大の初戦の相手は法大。去年のリーグ戦で春秋とも慶大が勝ち点を取れなかった因縁の相手である。…

リーグ戦開幕に遅れること2週間。今年も1、2年生のみの総当たりのリーグ戦、フレッシュリーグが開幕した。1、2年生にとっては絶好のアピールの場である。慶大の初戦の相手は法大。去年のリーグ戦で春秋とも慶大が勝ち点を取れなかった因縁の相手である。フレッシュリーグの後に行われるリーグ戦に弾みをつけるためにも初戦を勝利で飾りたい慶大だったが終盤に追いつかれ、悔しい引き分けに終わった。

去年も試合開始時刻は朝の8時と早かったが今年は更に早まり、7時50分となった。早朝ながら決して低くない気温の中プレイボール。先攻は慶大。立ち上がりを捉えるべく各打者がファーストストライクを積極的に振っていくも、この日最速144㌔を誇った相手左腕・平元の力のある速球に苦戦。3回まで無安打に終わり、毎回の6三振を喫してしまう。

打ってはヒット、守っては杉原をうまくリードした植田響

一方の慶大の先発は杉原寛哉(総2・桐蔭学園)。ランナーを許しながらも粘り、こちらも 3回までに5つの三振を奪い無失点に抑える。なんとか杉原を援護したい打線は4回、先頭の3番・植田響介(総2・高松商業)がチーム初ヒットとなる左前安打を放ち、出塁する。続くのは4番・若林将平(環1・履正社)。「練習通りのスイングができた」と、3ボール1ストライクからの5球目を捉えた。フルスイングした打球は左翼席上段へ。打った瞬間それとわかる完璧なホームランだった。慶大はこの回、2点を先制する。

好投した先発の杉原

追加点を取りたい打線だったが4回以降は平元の前に沈黙。こちらも無安打に抑え込まれる。7回に代わった2番手・落合から角谷隆之介(環2・湘南)がチーム4本目となるヒットを放ち、続く代打・堀内一優(商2・慶應)が四球を選び2死一、二塁のチャンスを作るも後続が倒れ、得点には繋がらない。

新人戦主将を務める大串

杉原に代わって7回からマウンドに上がったのは森田晃介(商1・慶應)。いきなり連打を浴び無死一、二塁のピンチを招くも相手の拙攻にも助けられなんとか後続を打ち取り無失点に切り抜ける。だが、8回に捕まった。エラーとヒットで2死一、二塁とされ、迎えるは先ほど7回に先頭でヒットを許した途中出場の7番・杉村。1ボール2ストライクからの4球目を捉えられ、左中間を真っ二つに割る同点タイムリーツーベースを浴びた。なんとか次打者を三振に取りサヨナラ負けは阻止したものの、連盟規定により8回で試合終了。試合は引き分けに終わった。

両先発が好投し投手戦となった今日の試合。少ないチャンスをものにしたという意味では若林は見事なホームランを放った。しかし欲を言えば、チーム全体で4安打は寂しい数字である。「打の慶應」を示すべく、次戦では打線の奮起に期待したい。投手陣では、やはり杉原の好投が光った。次回の登板にも期待がかかる内容であった。森田晃は同点を許したとは言え、きっかけはエラー出塁である。僅差の試合においてエラーは流れを変えてしまう可能性をはらんでおり、8回はそれが如実に出てしまったイニングであったと言えよう。接戦でこそチームとしての力が試される。「甘さがあった」と吉田健一郎新人戦監督(商4・慶應湘南藤沢)が振り返ったようにまだまだチームとして課題は残る。次戦は2週間後の明大戦である。チームとしてさらに成長した慶大の戦いから目が離せない。

(記事:染谷優真、写真:髙山実子)