阪神が22日、優勝旅行先の米ハワイから日本に帰国した。近本光司外野手(31)は5泊7日の旅を終え、5年契約1年目の来季…

 阪神が22日、優勝旅行先の米ハワイから日本に帰国した。近本光司外野手(31)は5泊7日の旅を終え、5年契約1年目の来季を見据えた。30歳を過ぎたシーズンで大事にしたいことは健康でいることとし、不動の1番として球団史上初の連覇に挑む26年は、どんな状況下でも楽しくプレーすることをテーマに掲げた。

 気温が25度を超える南国から、最低気温が1桁の日本へ帰ってきた。つかの間のリフレッシュ。リーグ王者にしか味わえない時間を満喫し、来季への英気を養った。26年は5年総額25億円の大型契約を結んでの1年目となる(金額は推定)。大事なシーズンに掲げたテーマは「健康」と「楽しむ」だった。

 「成績どうこうというよりは、まずしっかりグラウンドに立つ。楽しくプレーするということが僕の中では大事だと思っているし、この先も大事になってくる」

 心と体の健康第一。「もちろん成績がベースにあって」ということは理解している。今季は140試合に出場し、打率・279、3本塁打、34打点。不動の1番打者として、7年間も安定した数字を残し続けている。23年には骨折での離脱があったが、丈夫な体で戦い続けている証しだ。

 とはいえ、30歳を過ぎた。「どうしてもこれからは成績、パフォーマンスは落ちてくる」。その中でどう自分と向き合うのか。頭の中には近本らしいポジティブ思考があった。

 「落ちてきたら、じゃあ野球はダメなのか。自分は楽しくないと思うのかは、そうじゃない。まずは楽しくプレーする。そういうメンタルを作るというのは、すごい大事だと思う」

 虎のリードオフマンが考える「楽しむ」は、単に笑顔ではしゃぐということではない。「打てない時をどう打とうとするかも楽しいし、打てる時はなぜ打ててるのかと考えるのも楽しい」。己の野球と向き合いながら、簡単には見つからない答えを導き出す作業に快感を覚えられるか。ひとつ上の次元へ進もうとしている。

 食事やトレーニングでも新たな挑戦をし、自身の体をより認識しようとしている。チームが連覇するためには近本の存在は欠かせない。国内FA権を取得しながら、残留を選んだ。まだ誰も見たことのない景色を作る。