<2025ペナント:オリックス編> パ3位 74勝66敗3分プロ野球の快記録や珍しい記録からシーズンを振り返る「データで…

<2025ペナント:オリックス編> パ3位 74勝66敗3分

プロ野球の快記録や珍しい記録からシーズンを振り返る「データで見る2025ペナント」がスタート。プロ野球を球団別に連載、続いて日本人大リーガーの計13回。第7回はオリックス。

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広島からFA移籍したオリックス九里亜蓮投手(34)が11勝を挙げた。FA移籍1年目に10勝以上は24年山崎(オリックス→日本ハム)以来9人、10度目で、セ・リーグからパ・リーグに移った投手では08年石井一(ヤクルト→西武)14年中田(中日→ソフトバンク)に次いで11年ぶり3人目。九里はチームで唯一の2桁勝利だったが、オリックスで移籍1年目にチーム最多勝は、11年に横浜から加入した寺原以来14年ぶり。FAでオリックスに加入した先発投手は九里が初だったが、チームトップの勝ち星で期待に応えた。

リーグを移っても投球スタイルは変わらなかった。九里は三振を量産するタイプではなく、打たせて取るピッチングが持ち味。新天地でもそのスタイルは健在で、特に打たせた併殺打は22本でリーグ最多。今季20本以上の併殺打を打たせたのは両リーグを含めても九里が唯一だった。オリックスの投手で併殺打リーグ1位は16年ディクソン以来だが、九里にとっては広島時代の23年以来、自身2度目。リーグ最多の回数を調べると、最多は東尾(西武)の6度で、2度以上記録したのは九里が33人目。そのうち九里のように所属した2球団でマークしたのは6人目で、両リーグで記録したのはミンチー(広島、ロッテ)に次いで2人目。日本人投手では初めてという珍しい記録だった。

FA移籍1年目に10勝した過去8人のうち、2年目も続けて2桁勝利を挙げたのは杉内(巨人)と西勇(阪神)の2人だけで、パ・リーグでは0人。前述の石井一、中田はともに各9勝とわずかに2桁に届かなかった。九里がパ・リーグ初の達成者となるべく、来季も凡打の山を築いていく。【多田周平】