◆フィギュアスケート 全日本選手権 兼ミラノ・コルティナ五輪最終選考会 最終日(21日、東京・代々木第一体育館) 女子で…
◆フィギュアスケート 全日本選手権 兼ミラノ・コルティナ五輪最終選考会 最終日(21日、東京・代々木第一体育館)
女子でショートプログラム(SP)13位の三原舞依(シスメックス)はフリー127・86点、合計190・63点でラスト全日本を終えた。2022年GPファイナル覇者の三原は、開幕前に今季限りでの引退を表明していた。
名前がコールされるとスタンドから大歓声が沸き上がった。全身で受け止めた三原は、スタート位置につく直前、ガッツポーズを作った。「ありがとうございます」と声に出して言った。「本当に幸せだなっていう思いが心の中を占めていた。うれしさと幸せな思いが私の体全てを占めていた」
「ジュピター」を演じきった。冒頭のルッツ―トウループの連続3回転を含むすべてのジャンプを降りた。代名詞とも言える美しいスパイラルに、拍手が起こった。スタンディングオベーションに包まれた演技後、リンクにうずくまり泣いた。「自分で思っていた以上に涙があふれていて。ウォータープルーフのマスカラでよかった(笑)。前が見えなくなるくらい涙がすごくてびっくりした」と笑顔で語った。
リンクを降りると中野園子コーチと抱き合った。演技後に初めて「ありがとう」と声をかけられた。「さすがの集中力」との言葉ももらった。「中野先生、グレアム先生のもとでスケートを長く続けることができた。先生たちのおかげ。本当にありがとうございますという気持ち」と感謝した。
右足首と股関節のケガが悪化し、昨年の全日本選手権はフリーを棄権した。その後2か月間リンクを離れることになったが地道な努力を重ね、五輪シーズンの今季、復帰を遂げた。「毎日トレーニングを積んでどんどんどんどん上を、っていうようなスケート人生ではなかった。いい時も良くない時も応援してくれた皆様がいてこその三原舞依。これからの人生で恩返ししていきたい」と思いをかみしめた。