◆バレーボール ▽全日本選手権(天皇杯・皇后杯) 最終日 女子決勝 大阪M 3―2(26―24、16―25、33―31、…

◆バレーボール ▽全日本選手権(天皇杯・皇后杯) 最終日 女子決勝 大阪M 3―2(26―24、16―25、33―31、24―26、17―15)NEC川崎(21日、京王アリーナ東京)

 女子は昨季大同生命SVリーグ女王で今季4位の大阪Mが、5大会ぶりの日本一をつかんだ。決勝でリーグ首位のNEC川崎を3時間にも及ぶ死闘の末、フルセットで破った。30得点でけん引したアウトサイドヒッター(OH)・田中瑞稀主将が試合後にMVPに輝いた。「やったー!と思いました。リーグでも負けている相手。最後まで諦めない気持ちで前を向いて戦えた」と仲間と抱き合い、うれし涙が頬を伝った。

 勝利への執念を燃やした主将が、導いた。最終Sは先にチャンピオンシップポイント(P)を握られ、11―14と苦しい展開。それでもタイムアウトを取り、田中主将を中心に「まだ終わりじゃない」と声を掛け合った。田中、林のスパイクなどで土壇場で追いつくと、最後も主将が決めた。レフトからの一撃の後、外から内に切り込んで力強いスパイクを打ち抜いた。大歓声とともにコート上に歓喜の輪ができた。「1点を全員で拾って、つないで、最後の人に託すところをみんなで意識していた」と胸を張った。

 サーブレシーブでもリベロの西崎愛菜、OHの林琴奈とともに軸を担い、24本拾って攻撃につなげた。主将は「欲を言えばもうちょっとネット際まで持っていって、いろんな展開が組めるパスを出せたら良かった」と自己評価は厳しいが、「そんなに返した感じはないけど…」と数字にはうなずいた。攻守で躍動した田中に対し、林は「今日の田中選手は絶対に(得点を)決めてくれるという感じがあった」と“無双状態”だったと明かし、改めて信頼を口にした。

 昨季はSVリーグのレギュラーシーズン全22勝を挙げ、チャンピオンシップ決勝でNEC川崎を2連勝で退けて、初代女王に輝いた。だが、今季は12勝6敗で4位。例年以上に苦しい戦いが続く。それだけにこのタイトルがリーグの後半戦、リーグとの2冠に向けても弾みをつけた。「今日みたいに苦しい場面で本当の意味でチームが一つになれるように。リーグでもてっぺんを取れるように頑張りたい」と田中主将。日本一のタイトルを、リーグ連覇の目標へつなげていく。