◇全国高校駅伝・男子第76回(21日、たけびしスタジアム京都発着、7区間42・195キロ) 集団転校で注目が集まってい…

 ◇全国高校駅伝・男子第76回(21日、たけびしスタジアム京都発着、7区間42・195キロ)

 集団転校で注目が集まっていた鳥取城北は、2時間2分11秒の4位で県勢33年ぶり、同校としては初の入賞を果たした。赤池健監督は、「メダルを取らせてあげたかった」と悔やみつつ、「56人欠けることなくこの日を迎えられたこと自体が、他の学校にはないすごいこと。感謝の気持ちしかない。鳥取城北、全国でのろしを上げられたと思うので、これからも頑張っていきたい」と喜びをかみしめた。

 赤池氏は昨年、ヘッドコーチとして大牟田(福岡)を準優勝に導いた。しかし、学校側は25年度からOBで元コニカミノルタ監督の磯松大輔氏を監督に起用し、実質的な監督だった赤池氏を磯松氏のサポート役に降格する方針を決定。選手と保護者は撤回を求めたが覆らず、鳥取城北の監督に転職することとなった赤池氏とともに、選手18人が同校に集団転校した。

 ただ、全国高校体育連盟の規定で6か月(水泳は1年)は同連盟の主催大会に出場できないため、夏の全国高校総体などは不参加。出場可能となった11月の鳥取県高校駅伝で優勝し、今大会の出場権を獲得していた。

 昨年、大牟田で1区を担った本田桜二郎(3年)は、同じく1区を走って3位。「転校したてのころは人間関係も苦労しましたし、最初は気まずい雰囲気が流れて、『転校することは正解だったのかな…』と思うこともあったんですけど、夏合宿や駅伝が近づくにつれて、だんだん一つになった。そういう経験は他の高校ではできないので、大牟田に入学して鳥取城北に転校して良かったと思います」と振り返った。

 元々、鳥取城北に在籍していた山根爽楽(3年)は、集団転向について「最初は『まじか…』ってマイナス思考になったけど、そこで諦めず食らいついてやろうとこの一年やってきた」と明かした。この日、本田からたすきを受け取り、留学生が起用できる2区を力走。「このまま終わってたまるかというか、最後も元々鳥取城北にいた意地というか、『俺たちも頑張っているぞ』ということを全国に伝えるように走りました」と胸を張った。