オランダ1部アヤックスへの加入が発表された元日本代表DF冨安健洋が21日、成田空港着の航空機で帰国し、報道陣の取材に応…

 オランダ1部アヤックスへの加入が発表された元日本代表DF冨安健洋が21日、成田空港着の航空機で帰国し、報道陣の取材に応じた。16日に来年6月末までの半年契約でアヤックス加入が決まった冨安は「まずはチームが決まって良かった。(決め手は)熱量が高かった。僕のことを信頼してくれていると感じた」と安どした表情を浮かべた。

 アヤックスは日本代表DF板倉滉が在籍し「コウ君とも連絡を取っていた。ここ数日も、チームのことや戦術のことを話すことができたのでいい準備になった。代表でも長年一緒にディフェンスラインでプレーしてきたので、コウ君がいることはポジティブな要素の一つ」と話した。

 2月に右膝の手術を受け、7月にプレミアリーグ・アーセナルとの契約を解除し、無所属の状況が続いていた。公式戦出場は、24年10月サウサンプトン戦を最後に遠ざかっている。

 アーセナルでの期間を振り返り「最後の1年はプレーできなかったが、4年在籍させてもらい、アーセナルというだけでなく、世界で一番のリーグであるプレミアリーグの舞台でプレーできたところは、今後のサッカー人生においても大きなものだった。僕のサッカー人生はまだまだ続くので、その中でプレミアに戻るチャンスもあるかなと思っている」と語った。

 長期のリハビリ期間を経て、「長かったが、最後の数か月は逆に早かった。一気に軌道に乗ればグッときたなという感じ。やっぱりサッカーをする楽しさ、喜びを改めて感じることができた期間。改めてたくさんの人に支えられ、身の回りの人であったり、街中で会うサポーターの人たちからも『待ってるよ』と言葉をもらいながら生活できて、良いものを得られた期間だった」と振り返った。

 現在は「1月から復帰できればと思っている」と照準を合わせる。復帰に向け、国内でトレーニングを継続するといい、「1年以上(試合間隔が)空いているので、多少のエラーだったりは受け入れつつ。いきなり100%のパフォーマンスを出すのは難しいのは僕自身も分かっている。その中で少しずつ時間を増やしながらというのは、チームとも話している。少しずつコンディションを上げていければいい」と見据えた。

 来年6月11日に開幕が迫る、自身2度目のW杯出場に向けては「W杯もありますし、その中で少しでも出場時間を伸ばさないといけない。かといって、誰も試合に出られるということが確約されているわけではない。ビッグクラブでプレーする以上、競争があるので、その競争の中で出場時間を伸ばしていきたい」と語った。今月の抽選会ではオランダ、チュニジア、欧州プレーオフ勝者との1次リーグでの対戦が決定。「前回大会もそうだったが、個人的には欧州の国とやる方が読める部分が多く、やりやすい。どこが来ても簡単ではないので、良いグループという言い方はしないが…。森保監督が優勝というのを掲げている。僕もW杯の舞台に立って、優勝に貢献できればいい」ときっぱりと言った。自身が離脱していた期間での代表活動については「自分にフォーカスしている部分もあった。日本代表活動は、もちろん気にはしていたが、どちらかと言うと自分にフォーカスして。それはこれからも変わらない」と冷静に語った。