小さい子どもたちに野球の楽しさを感じてもらおうと、山形南高校野球部が20日、山形市のひまわりこども園で「出張こども野球…
小さい子どもたちに野球の楽しさを感じてもらおうと、山形南高校野球部が20日、山形市のひまわりこども園で「出張こども野球教室」を開いた。日本高校野球連盟と日本野球機構(NPB)の取り組みの一環で、県内では初めて。園児たちはボールを投げたり、打ったりして駆け回った。
1、2年生の野球部員10人と、園児24人が参加。園児たちは鳥やウサギなどの動きを採り入れた体操をした後、軟らかいボールを使って教わりながら、投げる、打つ、捕るを体験した。
年長組の大場雫月(しずき)さんは「投げるのが楽しかった。(的当てで真ん中の)5番に4回当たった」。支柱に置いたボールの下を打ってしまうこともあった新内陽葵(はるき)君は「ちょっと難しかったけど、楽しかった」と笑顔を見せた。
部員たちは、新聞紙で玉入れの「玉」や、プレゼントする紙の「金メダル」を手作りするなどして準備してきた。卒園生でもある2年の柴田剛志さんは「こういう機会があると野球への関心が高まる。思ったより大変だったけど、園児が楽しんでいるのを見て開いてよかったと思う」。
高野連とNPBは今年7月、全国で野球の普及・振興事業を連携して始めることで合意。部員が各地で指導役となり、未就学児にボール遊びの楽しさなどを教える活動「キッズファーストアクション」を始めている。
教室は、高校野球人口の減少に歯止めをかけることや、地域貢献などが狙い。色摩(しかま)貴幸監督は「良い交流ができた。改めて人を笑顔にするスポーツだと感じた。さらに魅力を発信していきたい」。今後も開く予定という。(黒川和久)