◆フィギュアスケート全日本選手権 兼ミラノ・コルティナ五輪最終選考会 第2日(20日、東京・代々木第一体育館) 女子ショ…

◆フィギュアスケート全日本選手権 兼ミラノ・コルティナ五輪最終選考会 第2日(20日、東京・代々木第一体育館)

 女子ショートプログラム(SP)首位の坂本花織(25)=シスメックス=がフリー前日の20日、公式練習に参加し、1985年から8連覇した伊藤みどり以来、5人目の5連覇へ順調な仕上がりを見せた。

 * * * *

 坂本選手は19日のSPでトップに立つ十分の演技でした。2位の島田麻央選手らが跳ぶトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)は、2回転半と比べると基礎点だけで4・70点差があります。若手選手が3回転半を跳んでも届かない、坂本選手の持つスケーティング技術の高さが際立ちました。

 坂本選手は、スケートを知らない人でも生で演技を観戦すれば「世界チャンピオンだ」と思ってしまうようなスピード感、流れるような滑りが強みです。今季は、SPもフリーも表現やターン、滑る方向などが複雑で、単調に見えないプログラムとなっています。演技構成点で坂本選手を上回る選手はいないと言っても過言ではなく、島田選手や中井亜美選手がフリーで追いつくためには、やはりジャンプを取りこぼしなく成功することがカギとなるでしょう。

 SP4位の千葉百音選手も彼女の持つエレガントさを、いかにアピールできるか。フリー「ロミオとジュリエット」に情感を乗せ、ストーリーが見えるスケーティングできるかがポイントになると思います。(2010年バンクーバー五輪代表・織田 信成)