◆ラグビーリーグワン2部▽第2節 花園40―10東葛(20日・東大阪市花園ラグビー場) 3季ぶりの1部復帰を目指す花園(…

◆ラグビーリーグワン2部▽第2節 花園40―10東葛(20日・東大阪市花園ラグビー場)

 3季ぶりの1部復帰を目指す花園(旧近鉄)が、クラブ初のリーグワン開幕2連勝を飾った。今季ホーム初戦で6トライを奪い、東葛(旧NEC)に40―10で快勝。新加入の南アフリカ代表SOマニー・リボック(28)が、キックパスで先制トライを演出するなど、来日初のフル出場で貢献。チームは首位をキープした。

 2023年W杯優勝を知る新助っ人が、本拠・花園初戦でいきなり魅了した。前半4分、リボックは敵陣22メートルライン内の左ラックから右へ展開されたボールを受けると、大外へキックパス。“どフリー”のWTB木村朋也(27)の胸にすっぽりと収まり、先制トライを演出した。チームを波に乗せると、ゴールキックも6本中5本成功させ、開幕節・愛知(旧豊田自動織機)戦に続いて快勝劇に笑顔。「気持ち良く戦えた。初めてライナーズのファーストジャージーを着てプレーできて光栄だ」と喜んだ。

 日本人選手への好影響もある。社員選手のフッカー福井翔(25)は「世界的な選手が後ろにいて、トライを取ってくれる」と体を張り、自身も後半12分にモールからトライ。同22分には、持ち過ぎず、ラストパスで味方のトライをアシストするなどプレーヤー・オブ・ザ・マッチに選ばれた。福井と同じく近鉄本社勤務のCTB岡村晃司(27)も自身リーグワン出場50試合目で、後半29分にダメ押しトライを呼ぶショートパントを放った。「英語は分からないけど、連係しています」と、リボックとの息も試合ごとに合ってきている。

 昨季は開幕3戦で1分け2敗とスタートダッシュに失敗。2位で入れ替え戦に出場したものの、三重(旧ホンダ)に連敗した。今季、リーグ序盤に重きを置いた新任の太田春樹監督(38)は「誰も特別扱いはしない」と例年なら若手、中堅、ベテランと3段階に分けた始動日を7月下旬にまとめた。走り込みなど基礎練習を課し、チームをつくってきた。ラストピースとして11月末に、南アフリカ代表の遠征を終えたリボックが合流し、いいハーモニーを奏でている。

 リーグ戦はあと12試合ある。次節は年明けの日野戦(1月10日・花園)。リボックは「今季のゴールは昇格。まだ何も成し得ていない」と手綱を締め、2026年も近鉄特急を加速させる。(田村 龍一)

 ◆マニー・リボック 1997年7月15日、南アフリカ生まれ。28歳。U20同国代表を経て2021年に同国代表初選出。28キャップ。同国のストーマーズから今季、花園入り。184センチ、79キロ。昨季引退した元オーストラリア代表SOクウェード・クーパー氏(37)=現花園アタックコーチ=を尊敬する。

 〇…花園近鉄ライナーズは、東葛戦を開催した東大阪市の花園ラグビー場で、チームを一面にしたスポーツ報知特別号を先着2000人に無料配布した。主な内容は木村雅裕氏(59)、飯泉景弘氏(52)、前田隆介氏(51)の歴代GM3人による鼎談(ていだん)。2000部はキックオフを待たずして、瞬く間に観客の手元へ渡った。