<「ゴールドラッシュ」アマチュア選手の今後>「ゴールドラッシュ」と化す日本人アマチュア市場を展望する連載企画第3回は、海…
<「ゴールドラッシュ」アマチュア選手の今後>
「ゴールドラッシュ」と化す日本人アマチュア市場を展望する連載企画第3回は、海外へ選手たちを送り出す側にスポットを当てる。米国への野球留学を仲介する「野球留学ベース」代表の岡野智紀さん(42)に昨今の野球留学事情を尋ねた。(随時連載)
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野球留学ベースを運営する岡野さんは「今は規模的に言うと年間で80~100人の日本人選手が野球留学に行っていると思います」と分析する。同社では米国内の大学コーチ陣とのコネクションを強みに、大学野球部のセレクションやトライアウトを仲介したり、奨学金を受け取るためのアシストをしたり、留学までの一連のサポートを引き受ける。国内には同じような事業を展開する業者が3、4社ほどあるという。
留学のスタイルは「実力型」と「キャリア型」の主に2パターンに分かれる。実力型はアメリカの大学で競技力を高め、憧れのメジャー挑戦を目指すタイプ。逆にキャリア型は野球をやめた後も、球団職員など野球に関わる仕事をしたいと米国を目指すタイプだ。これまではキャリア型が圧倒的に多かったが、スタンフォード大の佐々木麟太郎内野手(20)ら日本トップクラスのアマ選手が海を渡り変化を見せている。
さらに、NPBを経由せずに渡米したアスレチックス傘下の森井翔太郎投手兼内野手(19)が拍車をかけた。「甲子園出場経験はなくても、アメリカで日本のドラ1より高い契約金を勝ち取れる。同世代の子たちにとって、より海外が近くなったことを示すには十分なインパクトでした」。
うまい話だけとは限らない。「これまで100人のサポートはしましたが、NPBに入ったのは昨年ヤクルト育成1位で入った(ノースカロライナA&T州立大の)根岸辰昇選手だけ」。メジャーの夢舞台を目指せるのはほんの一握りだ。だからこそ「今の学生たちにとってすごくありがたいのは、間違いなくSNSの普及。SNSで留学先のチームの情報が知っておくことがとても大事」と下調べが大事になってくる。【平山連】