◆プロボクシング 全日本新人王決勝▽フェザー級(57・1キロ以下)5回戦 〇謝花海光 (判定) 豊永太我●(20日、東京…

◆プロボクシング 全日本新人王決勝▽フェザー級(57・1キロ以下)5回戦 〇謝花海光 (判定) 豊永太我●(20日、東京・後楽園ホール)

 フェザー級は東日本代表の謝花海光(じゃはな・かいり、20)=M・T=が西軍・豊永太我(たいが、20)=ウォズ=に判定勝ち。全日本新人王に輝いた。

 戦績は謝花が5戦全勝(1KO)、豊永は6勝(1KO)1敗。

 序盤こそ硬さが見られた謝花だったが、「3回に足を止めて相手が来た時に変えそうと思った時、パンチがハッキリ見えた。体がほぐれてきたのかなと思った」。本来の動きを取り戻した謝花は、ジャブからワンツーと効果的に打ち込み、最後まで攻め続けた。ダウンこそ奪えなかったものの、終始自分のペースで試合を進め、ジャッジ3人が50―45のフルマークをつける完勝だ。

 「新人王を取れて、約束を果たしてほっとしています」。8月の試合後に急性硬膜下血腫のため、亡くなった、ジムメートの神足茂利さんから励まされ、全日本新人王のタイトルを取ると約束していたという。謝花は昨年、体重超過のため資格停止処分を受けたが、神足さんからは励まされてきたという。

 沖縄・中城村生まれ。祖父がペルー人、祖母が日本人という家系で、ボクシングの名門である宮崎・日章学園高を卒業後、大学特待推薦の話を断り、単身で亡き祖父の母国であるペルーへ。ペルー国籍を持っていた父の紹介で、同国初の世界王者、元WBAライトフライ級(48・9キロ以下)世界王者アルベルト・ロッセル氏のもとでボクシング修業に励み、ペルー国選手権57キロ級で銅メダルを獲得。同国の2024年パリ五輪強化選手にも認定された。帰国後、世界3階級制覇王者・中谷潤人に憧れてM・Tジム入り。中谷とはスパーリングで胸を貸してもらいながら、腕を磨いてきた。

 M・Tジムでの全日本新人王は中谷以来、2人目。中谷からは「気負わず、やりたいようにやれば結果はついてくる」などと助言ももらっていた。「スーパーチャンピオンに一歩でも追いかけられたのはうれしい。M・Tジムの歴史に名前を残せたかな?」と話した謝花。今後の目標について聞かれると「同世代の選手がユースなどのタイトルを持っている。色々な距離でのディフェンスとか、引き出しを多くしたりとか、スタミナもつけて、目標に向かって頑張ります」と課題を挙げながら、さらなる高みを目指していく。