◆フィギュアスケート全日本選手権 兼ミラノ・コルティナ五輪最終選考会 第2日(20日、東京・代々木第一体育館) ペアショ…

◆フィギュアスケート全日本選手権 兼ミラノ・コルティナ五輪最終選考会 第2日(20日、東京・代々木第一体育館)

 ペアショートプログラム(SP)が行われ、長岡柚奈、森口澄士(木下アカデミー)組は72・91点で2位スタートを切った。18日の公式練習ではスロージャンプで長岡が転倒し、右膝を強打。状態が懸念されていたが、ジャンプを含めて大きなミスなくまとめ、演技後には2人でガッツポーズ。国際スケート連盟(ISU)非公認ながら、自己ベストをマークした。

 長岡は「右膝のことばかり考えて不安になっていたが、『自分の体の記憶を信じろ』と言われた。本番でしっかり出せて良かった」とうなずいた。森口も「乗り越えてくれた柚奈ちゃんに、ありがとうと伝えたい。乗り越えられたからシーズンベストを超えられた。いい経験になった」と困難を自らのパワーに変えたと振り返った。

 今季は9月の五輪最終予選で日本勢初のペア2枠目を獲得した「ゆなすみ」。選考基準を満たすのは三浦璃来、木原龍一(木下グループ)組と2組のみ。五輪出場を確実としている。長岡は19日の男子SPを会場で見ており、熱気や緊張感を肌で感じた。「見ているこっちも緊張するし、アナウンスを聞いていても、自分がこの立場だったら怖すぎると思った」と明かした。そんな中でも独特な空気感に飲まれることなく、会心の演技を披露。「全日本は私からしたらオリンピックだと思って滑っていた。いい練習になった」と経験値を得た。

 フリーは21日に行われる。大きな山を乗り越え、さらに強くなった姿を見せる。長岡は「練習してきたこと、自分の体を信じて。皆さんにいい演技をお見せできるように頑張りたい」と意気込む。森口も「せっかくのオリンピックシーズンの舞台。一つ一つを楽しんで、自分たちのできることを出せるように」と見据えた。