◆プロボクシング 全日本新人王決勝▽フライ級(50・8キロ以下)5回戦 〇鈴木丈太朗 (判定) 橋本陸●(20日、東京・…
◆プロボクシング 全日本新人王決勝▽フライ級(50・8キロ以下)5回戦 〇鈴木丈太朗 (判定) 橋本陸●(20日、東京・後楽園ホール)
フライ級は東日本新人王の鈴木丈太朗(24)=帝拳=が、西日本代表・橋本陸(25)=グリーンツダ=に判定勝ち。全日本新人王を獲得した。
戦績は鈴木が5勝(2KO)1敗、橋本が7勝(1KO)1敗1分け。
初回、橋本の右フックがヒット。「効かされて焦ってしまった」が、その後は冷静にジャブを中心にボクシングを立て直して反撃。ポイントを重ねた。5回に偶然のバッティングで左目上をカットしたものの、ひるまず前に出た。ともに決定打は奪えず判定へ。ジャッジ1人が48―47と橋本を指示したものの、残り2人がともに48―47で鈴木に軍配を上げた。
リング上の勝利者インタビューでは笑顔は見せず「全然、まだまだ。とりあえず勝って次につながった」と勝利の言葉を絞り出した。「初回、相手のフックをもらって踏ん張りきれなくて…。得意なパンチがないので、ジャブに頼り切った。判定になって負けたかなと思った」と振り返ったものの、「去年負けてから1年、全力でやってきたので。勝ってうれしいけど…まだまだ…悔しい」と様々な思いが交錯する心境を吐露した。
昨年は東日本新人王準々決勝で敗退。その後、巻き返しを誓って厳しい練習に耐えた。ボクシングだけではなく、週に1度は元WBA世界ミドル級スーパー王者・村田諒太ら多くの世界王者を指導してきた中村正彦ストレングス&コンディショニングコーチのもとで体力アップに励んだ。
決勝戦に向けては、前WBA世界ライトフライ級王者の高見亨介、元WBO世界同級王者・岩田翔吉(ともに帝拳)、元WBA世界フライ級王者・ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)、WBO世界同級王者アンソニー・オラスクアガ(米国/帝拳)らに胸を借りてスパーリングで腕を磨いてきた。
「自分一人ではここまで来られなかった。ありがたいです」と鈴木、来年について聞かれると「来年は日本ランキングに入るので、こんな試合をしないよう頑張ります」と改めて決意を示した。