現役ドラフトで楽天から広島へ移籍した辰見鴻之介内野手(25)が19日、マツダスタジアムで入団会見を行った。今季のイース…

 現役ドラフトで楽天から広島へ移籍した辰見鴻之介内野手(25)が19日、マツダスタジアムで入団会見を行った。今季のイースタン・リーグ盗塁王にも輝いた韋駄天(いだてん)は目標に「開幕1軍」と「シーズン2桁盗塁」を設定。1軍ではまだ通算2試合の出場で実績は乏しいが、広島の地で才能を開花させることを誓った。背番号は「69」に決定した。

 現役ドラフトでの移籍決定から10日。辰見の気持ちはすでに赤く染まりかかっている。「今は気持ちの整理もついて、広島でひと花咲かせようという気持ち」とはにかんだ。新天地で迎える来季。「まずは開幕1軍を目指して。そして最低でも2桁盗塁はしたい」と静かに闘志を燃やした。

 唐突な移籍にも驚きはなかった。「ネットとかで書かれていたので」と自身の名前が現役ドラフトのリストに載っている予感があった。その中での指名に、「気持ち的には準備はしていた。あまり驚きはなかったです」と当時の心境を明かした。

 持ち味は「やっぱりスピード」と息巻く。今季はイースタンで31盗塁を決めて、2位に11の差をつけて盗塁王に輝いた。盗塁は単純な脚力だけでは成功率は上がらない。「相手投手のけん制とクイックの映像、クイックの時間、捕手のスローの時間、準備はしっかりやっていました」と胸を張る。

 ポジションは二塁、三塁、外野を守れて球団は足のスペシャリストとしてだけではなく、ユーティリティープレーヤーとしても期待をかける。チーム内には同い年で俊足を武器にする羽月がおり、「一緒に切磋琢磨(せっさたくま)してやっていきたい」と辰見。まずは飛躍への足場を固めて、カープの機動力野球の申し子となる。

 ◇辰見 鴻之介(たつみ・こうのすけ)2000年11月24日生まれ、福岡県出身。176センチ、67キロ。右投げ右打ちの内野手。香住丘-西南学院大を経て22年育成ドラフト1位で楽天入り。23年7月に支配下昇格を果たした。1軍出場は24年のみで、2試合に出場し3打数0安打。同年オフに育成契約となったが、今季7月に支配下へ戻った。今年度ファームの選手を対象とした「デイリースポーツ選定 技能賞」を受賞。