フィギュアスケートの2026年ミラノ・コルティナ五輪代表を決める全日本選手権が19日、東京・代々木第一体育館で開幕する…

 フィギュアスケートの2026年ミラノ・コルティナ五輪代表を決める全日本選手権が19日、東京・代々木第一体育館で開幕する。シニアデビューした今季、グランプリ(GP)ファイナルで日本勢最上位の2位など躍進する17歳・中井亜美(TOKIOインカラミ)が初Vでの五輪切符獲得に挑む。18日の公式練習では、武器の大技・トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を着氷させ好調をアピールした。男女シングルの3枠をかけた争いを10年バンクーバー五輪代表の織田信成氏(38)が展望した。

 女子は、順当にいけばGPファイナルの上位3人が選ばれるでしょう。中井、坂本選手の選出は堅い。千葉選手もファイナルで日本勢上位2人には入れませんでしたが、今季の平均的な点数で見れば候補選手の中では圧倒的な安定感があります。力を出し切れば、代表権を勝ち取るのではないでしょうか。

 混戦が予想されるのは男子です。鍵山、佐藤選手は実力、実績ともに抜けており、3枠目を友野、三浦選手らが争う構図。三浦選手は今季ここまで本調子ではないものの、昨季はSPで100点を超え、自己ベストや国際大会の実績も素晴らしいものがあります。友野選手は、三浦選手と比べれば世界ランクや自己ベストは下ですが、今季は平均的なパフォーマンスや安定感で優れています。2人の立ち位置をみると、全日本で上の順位になった選手が有利となるでしょう。

 私も五輪がかかった全日本選手権を経験しましたが、五輪に行く選手はオーラを放っていました。選手にしか分からないような迫力、堂々とした振る舞いです。試合は演技前から始まっています。練習から「自分が行くんだ」という強い気持ち、執念が大事になってくると思います。

 その中で選手には、明るい表情で氷の上に立ってほしいです。全日本に来た時点で、すごい才能の持ち主。「スケートが好きっていう気持ちは、誰にも負けへんぞ!」と、自分の持っている個性が世界で一番なんだという自信を持って、『この選手をオリンピックで見たい!』と思わせるような演技をしてほしいです。