約3か月取材をするなかで、気になる厩舎を見つけた。コルテオソレイユを管理する佐藤悠太厩舎だ。開業1年目で、私も入社1年…

 約3か月取材をするなかで、気になる厩舎を見つけた。コルテオソレイユを管理する佐藤悠太厩舎だ。開業1年目で、私も入社1年目。同じように東京の大学を卒業後、関西へ移ったと聞き、親近感がわいたが、仕事ぶりを知って圧倒された。

 「いい馬をオーナーさんが預けてくれている。どの馬も背中が良く、走りそうな馬」とトレーナーは感謝を口にする。一方で助手時代に感じた「入厩前から馬の状態を把握出来ていたら…」という葛藤を形に変えてきた。

 毎週のように牧場へ足を運び、管理馬の写真、動画、牧場関係者のコメントを厩舎のLINEグループで共有。そのうえで連絡も密に取り合い、目標のレースへ調整。全員が状態や長所短所を把握し、入厩後すぐ仕事に取りかかることで、柔軟な管理を可能としている。

 「私の何倍も取材をしている…」。スマートフォンを見せてもらった瞬間、思わず心の声が出てしまった。これがグレード制導入後、開業1年目の調教師の最多勝にあと1勝と迫る20勝を挙げる仕事ぶりか―。

 2歳戦も7勝し、今年GI3勝の高野調教師が開業1年目の11年に挙げた8勝に並ぶ勢い。となると「キャリア5戦で成長期を迎えた」と佐藤悠師も見ているコルテオソレイユは軽視できない。

 人馬ともにGI初出走だが「ジョッキーによると前走は最後横に並ばれた時にソラを使っていたらしいです。逆にすごいですよね。もっと真剣に走れていたら…」。厩舎力の高い未知数のコンビに賭けてみたくなった。(松ケ下 純平)