◆プロボクシング ▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇正規王者・堤聖也(2―1判定)暫定…

◆プロボクシング ▽WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 〇正規王者・堤聖也(2―1判定)暫定王者・ノニト・ドネア●(12月17日、東京・両国国技館)

 WBA世界バンタム級正規王者の堤聖也(29)=角海老宝石=が、世界5階級を制覇したWBA世界同級暫定王者ノニト・ドネア(43)=フィリピン=との激闘から一夜明けた18日、都内の所属ジムで会見。2―1の判定勝ちで2度目の防衛に成功した堤は、一番戦いたい相手として元世界4階級制覇王者の井岡一翔(36)=志成=の名前を挙げた。

 「やりたいのは井岡さんです。やりたいですね。やらないといけないって相手はまた色々変わるんですけど、やりたい、だとそうですね。ワクワク度合いが一番違うかなと」

 井岡はバンタム級に転向して日本人男子初の5階級制覇を目指すことを表明。すでにWBA9位にランクされており、大みそかの同級転向初戦でWBA11位マイケル・オルドスゴイッティ(24)=ベネズエラ=とのWBA挑戦者決定戦に臨む。堤は「これからちょっと予定が入っていくんでどうなるかわかんないですけど、見たいなとは思っています」とこの試合を観戦する予定だという。

 現状では、次戦はWBA休養王者のアントニオ・バルガス(29)=米国=との団体内王座統一戦となることが規定路線だ。バルガスは堤と世界戦で激闘を演じた盟友・比嘉大吾(30)=志成=と7月に引き分けているが、「別にそこに比嘉がどうとかはないですけど、やらなきゃいけない試合だから、やんないといけないですよね」とし、バルガス戦に向けても「そこはちゃんとモチベーションも作ってやります」と話した。

 また、ドネア戦前には、来年5月に世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)=大橋=と世界3階級制覇王者・中谷潤人(27)=M・T=の対戦が計画されている東京ドーム興行への参戦も切望していた。この日改めて、「5月ですもんね。5月だったらいけるでしょ、って思うんですけど、どうなんですかね。実際のケガの治り具合と、という感じですね」と意欲を示した。

 最後に堤は、王者として駆け抜けた2025年を振り返った。「丸々1年を世界チャンピオンとして過ごした初めての年だった。取り巻く環境が変わったり、色んな変化があった1年だった。負けたらこれも失うとか、チャンピオンとしての環境が当たり前じゃないっていうことを常に考えていた。負けたら終わるし、今だけだよこういうのはって。そういうことも色々考えていた年でしたね」