スポーツエコシステム推進協議会は18日、都内でカンファレンスを開き、日本のスポーツ産業が抱える構造的課題と、違法スポーツ…

スポーツエコシステム推進協議会は18日、都内でカンファレンスを開き、日本のスポーツ産業が抱える構造的課題と、違法スポーツ賭博への対応について議論した。

登壇した読売新聞の山口寿一社長は、スポーツ産業の「マネーフローの目詰まり」を解消するため、権利の法的確立を柱とする新たな立法構想を打ち出した。「スポーツの価値を高める中核である運営側に十分な資金が回らなければ、普及や育成は進まない」と私見を述べた。

日本のスポーツ産業の市場規模は約5兆7200億円と欧州主要国に匹敵する一方、選手や球団、指導者らが属する「スポーツ運営」分野に流れ込む資金は8900億円と低い点を指摘。市場規模が日本とほぼ同じドイツでは「運営」に流れる資金は1兆5900億円に達するという。フランスや韓国の先行事例を踏まえた「スポーツ産業振興法(仮称)」の必要性を訴えた。

今年10月にパートナーシップ協定を締結した日本野球機構(NPB)榊原定征コミッショナーは、違法スポーツ賭博がスポーツの公正性を揺るがす重大なリスクだと強調。「不正が起きてから対処するのではなく、不正が起きない環境を整えることが重要だ」と述べ、協議会とのパートナーシップを通じて、官民・競技横断での情報共有や選手保護を進める考えを示した。

また、スポーツ議員連盟会長代行の遠藤利明衆院議員は、スポーツ基本法改正や予算措置に触れつつ、「スポーツを経費ではなく投資として捉え、得られた利益を再びスポーツ界に還元する仕組みを国会で応援できないかと考えている」とした。違法賭博を排除しつつ「日本がスポーツベッティングに取り組むことは全く致しません」と断言した。健全なスポーツ産業を成長させるため、立法面からの後押しに意欲を見せた。

同協議会の稲垣弘則代表理事は「違法スポーツ賭博対策を守り、日本独自の産業振興を攻めと位置づけ、これらを両輪として日本独自のスポーツエコシステムを構築していくべきだ」と、今後の方針を示した。