JRAの現役馬で唯一のステイゴールド産駒だったマイネルヴァッサーが先日、引退を発表した。多くの名馬を出した名種牡馬が…
JRAの現役馬で唯一のステイゴールド産駒だったマイネルヴァッサーが先日、引退を発表した。多くの名馬を出した名種牡馬が、一つの区切りを迎えた。この機会にドリームジャーニーが同産駒のGI初制覇を果たした06年の朝日杯FSを振り返ろう。
この年の朝日杯FSには不動の主役がいた。デビューから新馬、野路菊S、デイリー杯2歳Sと3連勝中のオースミダイドウ。O.ペリエ騎手が騎乗することもあって、単勝2.1倍の圧倒的1番人気に支持されていた。これに6.7倍でドリームジャーニー、8.9倍でフライングアップル、9.1倍でマイネルレーニア、9.8倍でマイネルシーガルが続き、ここまでが単勝オッズ1桁台だった。
レースは1番人気のオースミダイドウが引っ張った。ジワッとハナに立ち、前半800mは46秒8の平均ペース。好位にローレルゲレイロが付けて、フライングアップルは中団から。蛯名正義騎手とドリームジャーニーは最後方で脚をためた。直線に向いてローレルゲレイロが先頭に並びかけるが、内のオースミダイドウも抵抗。これにフライングアップルが迫るが、その外から桁違いの脚を使う馬がいた。ドリームジャーニーだ。圧巻の加速力で先行勢を交わすと、ゴール寸前でローレルゲレイロを捕らえてフィニッシュ。ステイゴールドの2年目産駒が、父に初のGIタイトルを届けたのだった。
ドリームジャーニーはその後、古馬となって宝塚記念と有馬記念を制覇。さらに全弟のオルフェーヴルが牡馬三冠を達成し、ステイゴールドは名種牡馬の地位を確固たるものとするのであった。