阪神が16日(日本時間17日)、優勝旅行先の米ハワイに到着した。ホノルル・ワイキキのホテルでは午前中に歓迎セレモニーが…
阪神が16日(日本時間17日)、優勝旅行先の米ハワイに到着した。ホノルル・ワイキキのホテルでは午前中に歓迎セレモニーが行われ、夜には祝賀会が開かれた。岩崎優投手(34)と坂本誠志郎捕手(32)は改めて優勝の喜びをかみしめ、来季以降もハワイに帰ってこられることを熱望。そのためにもNPBでは21世紀初となる、3度目の胴上げバッテリー実現を誓った。
あいにくの曇り空でもハワイの雰囲気がそうさせるのか、2人はいつにも増して軽快なトークを繰り広げた。普段はポーカーフェースの岩崎が「ハッピーです。アロハ~って感じです」とほほ笑む。坂本も初上陸の地を眺めながら、「何もほぼ決めてない」と捕手とは思えぬノープランで乗り込んできた。
とはいえ、野球の話になれば言葉の節々に熱い思いがこもる。今季は9月7日の広島戦(甲子園)でNPB史上最速優勝を決めた。その時、マウンド上で抱き合っていたのが2人だった。さらに2年前の23年9月14日の巨人戦(甲子園)も、胴上げバッテリーは“サカザキ”コンビ。次は21世紀初の偉業がかかる。
まずは虎の守護神が高らかに宣言した。「しっかり役割を全うして、3度目、目指したいと思います!」。坂本は落ち着いた口ぶりで「僕は最初から出て、最後までってことを言い続けているので意識はあります」と言い切った。
ただ、2回とも達成できてないことがある。それは三振で締めくくること。女房役としては締め方は多少なりとも考えること。23年は2点リードから坂本のソロで1点差に詰め寄られ「やべ、やべ、やべ」となったことを思い出す。今年も秋山を中飛で打ち取ったものの、数日後には「あそこで三振を取りたかった、でも取れない、無理だ」といった会話を交わした。
だからこそ、ただ3度目の胴上げバッテリーでは満足しない。岩崎が“追試”を課した。「『三振で』って付けときましょうか。3回目は三振で誠志郎が最後にボールを捕る。それを付け加えましょう」。決して簡単なことではないからこそ、2人は燃えている。
来季は坂本がゲームキャプテンを任されることも決定。2人ともチームの核として期待される。坂本は「やることは変わらない」という一方で、岩崎は後輩に負けていられない。「一番は、まず数字を出したい。そしたら言動に説得力が出てくる。今年はそれが負けてますよ、他のブルペンに」。石井や及川の躍動にライバル心をともした。
ナインはもちろん、裏方さんが喜ぶ姿に心を打たれた。「もう一回ここに来たいという理由でやるのも、人によってはいいと思う」と坂本。岩崎は「スローガンが『熱覇』です。ハワイの暑い日差しを浴びて、熱いスタートを切りたい」。ハワイでエネルギーを蓄え、三度マウンドで抱擁を交わす。