「ボクシング・WBO世界フライ級タイトルマッチ」(17日、両国国技館) 同級4位の桑原拓(30)=大橋=が王者アンソニ…

 「ボクシング・WBO世界フライ級タイトルマッチ」(17日、両国国技館)

 同級4位の桑原拓(30)=大橋=が王者アンソニー・オラスクアガ(26)=米国=に挑戦したが、4回2分37秒TKO負けを喫した。ユーリ阿久井政悟(倉敷守安)に敗れた昨年5月以来2度目の世界挑戦となったが、またも王座獲得はならず。また、右目の眼窩(がんか)底を骨折した疑いがあり、試合後の会見後に病院に向かった。オラスクアガは4度目の防衛に成功した。

 桑原は1回にオラスクアガの鋭い左ジャブを被弾した際に右目を負傷したといい、「眼窩底をやってしまった。ジャブで一瞬見えなくなった。二重に見えて、パニックになった。距離感が分からなくなり、イチかバチか強いパンチを打ったが、消耗した」と明かした。

 入場時から同行した井上尚弥(大橋)からは「左のガードを固めて」と助言を受け、試合中も「気持ちで負けるな」とハッパを掛られた。桑原も1回から前に出たが、好戦的に拳を振り抜いてくる王者のプレッシャーと強打の前に劣勢を強いられた。負けじと必死に打ち返したものの、4回にコーナーに詰められて猛攻を浴び、レフェリーストップ。顔をひどく腫らし、「攻撃力、パンチの硬さが今までやってきた中で一番だった」と無念の表情。「今は何も考えられない」と肩を落とした。

 ◇桑原 拓(くわはら・たく)1995年4月4日、大阪市出身。大阪・興国高で高校総体、国体の高校2冠に輝く。東農大を経て、2018年5月にプロデビュー。22年10月に東洋太平洋フライ級王座獲得。24年5月に東京ドームでWBA世界フライ級王者のユーリ阿久井政悟に挑戦し、判定で敗れた。身長164センチの右ボクサーファイター。