今季のJ1は鹿島が9季ぶり9度目のリーグ制覇を成し遂げた。獲得タイトル数を21に伸ばし、リーグ最多を更新した。*  *…

 今季のJ1は鹿島が9季ぶり9度目のリーグ制覇を成し遂げた。獲得タイトル数を21に伸ばし、リーグ最多を更新した。

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 シーズン移行に伴い、正式な“来季”は来年8月にスタートとなる。鹿島はここで2連覇を目指すことになるのだが、その前にあるのが来年2~6月に行われる特別大会「百年構想リーグ」だ。

 J1の20クラブを東西に分け、ホーム&アウェー形式で18試合を実施。それぞれの順位を決定した後、東西の同一順位による対戦「プレーオフラウンド」を行い、1~20位の順位が決定するという仕組みになっている。

 降格はないが、賞金はある。最終的にプレーオフラウンドで1位(日本一)に輝いたチームは賞金1・5億円が確定。東西のリーグ戦では、勝ち点1当たり200万円が手に入る。

 引き分けがない(90分で同点の場合はPK戦実施。勝利クラブは勝ち点2、敗戦クラブは勝ち点1)という大会規定があり、最後のプレーオフラウンドは日本代表のW杯活動と重なる算段が大きい。通常のリーグ戦とは異なり、まさに「特別大会」の要素がある。どこまでの“本気度”で大会に臨むかは、クラブによって考えが異なるかもしれない。降格がないこともあり、若手の積極起用や新戦術のチャレンジに舵を切るクラブもあるだろう。

 鹿島はどうするのか。鬼木監督は「昇格も降格もないが、そういうシーズンにも勝利にこだわり、優勝にこだわる姿勢がないと、その先にもつながっていかない」とキッパリ。クラブとしては明確に「優勝を狙う」という位置づけで臨むことになりそうだ。

 百年構想リーグの開幕は2月7or8日。チームはこの1か月ほど前から始動し、新シーズンに臨んでいくことになる。

 編成面に関しては、多くの主力選手が残留となる見通し。欧州を含め他クラブからオファーが舞い込む(舞い込んでいる)選手も出てくる(出ている)が、クラブとしてはその後の動きがとりやすいように去就決定に期限を設けるなどし、ACLE(アジア・チャンピオンズリーグ・エリート)もスタートする来年8月以降の“来季”も見据えながら、選手層の拡充を目指していく。

 負傷で半年以上を欠場したDF安西幸輝、DF関川郁万、MF師岡柊生の実績十分の3枚の復帰も、事実上の補強となる。若手の成長分も含め、今季よりもさらに強大化した戦力で、次なるタイトル獲得へと邁進する。(岡島 智哉)