労働組合・日本プロ野球選手会は8日、大阪市内で定期大会を開き、新会長にソフトバンク近藤健介外野手(32)を承認した。21…
労働組合・日本プロ野球選手会は8日、大阪市内で定期大会を開き、新会長にソフトバンク近藤健介外野手(32)を承認した。21年冬に就任した会沢翼会長(36=広島)は任期満了で退任する。
新体制として、会長1人と専任の副会長2人による「スリートップ体制」を発足させた。副会長は西武源田壮亮内野手(32)と巨人松本剛外野手(32)が務める。これまで各球団の選手会長が副会長を兼ねていた体制を改め、少数精鋭の執行部によって当事者意識と交渉力の強化を図る。近藤新会長は「選手が表に立って、選手の意見をしっかり伝えていく」と、執行部3人が主体となり、NPBとの協議や交渉に直接参加するという。選手会の森事務局長は「事務方が事前調整を担い、労使交渉は選手が出席して意見を伝える役割分担を進めていく」と選手主体の交渉体制への移行を目指す。
近藤会長は組織づくりを最優先とし、若手選手にも選手会の意義を周知しながら「一枚岩」の体制を築く方針を示した。具体的な課題として、誹謗(ひぼう)中傷対策の継続、FA取得期間の短縮、現役ドラフトの運用改善などに加え、審判員の待遇改善と質の向上を重要テーマとして取り上げた。近藤会長は「審判員の人数不足や待遇の低さ、成績に応じた評価制度の導入という意味で、予算を増やしてほしいと訴えていく」と話した。審判の環境整備により、判定の質向上と職業としての魅力を高め、野球界全体の発展につなげたいとした。
また、野球普及などを行う一般社団法人日本プロ野球選手会は通常総会を開き、新理事長に大瀬良大地投手(34)が選出された。22年冬に就任した丸佳浩理事長(33=巨人)は退任する。大瀬良は「丸さんの野球に対する情熱を引き継いでいきます」と意気込みを語った。