「男子ゴルフ・日本シリーズJTカップ・最終日」(7日、東京よみうりCC=パー70) 今季最終戦は、賞金トップで臨んだ2…
「男子ゴルフ・日本シリーズJTカップ・最終日」(7日、東京よみうりCC=パー70)
今季最終戦は、賞金トップで臨んだ23歳の金子駆大(こうた)=NTPホールディングス=が3バーディー、4ボギーの71で回って通算4アンダーで7位に入り、獲得総額1億2023万1009円で初の賞金王に輝いた。首位から出た小木曽喬(おぎそ・たかし、28)=フロンティアの介護=が1イーグル、4バーディー、1ボギーの65をマークして通算13アンダーで初優勝し、ツアー通算2勝目を挙げた。優勝すれば逆転賞金王の可能性があった蟬川泰果は5アンダーの6位だった。
通過点の戴冠だ。初の賞金王に輝いた金子。記者会見では喜びよりも安堵(あんど)の表情を浮かべた。「ここから海外に行ける。やっとスタートラインに立てた」。23歳3カ月3日での賞金王は石川遼、松山英樹に次ぐ史上3位の年少記録だが「あまり何も思わない」と満足せず、先を見据えた。
今シーズンは精度の高いショット、パットを武器に、5月にツアー初優勝を果たし、11月に2勝目を挙げた。飛躍の要因はメンタル面の改善だ。試合中の重圧がかかる場面に、あえて試したい打ち方を“練習”。実戦での成功体験で自信をつけることで「去年より余裕ができた」と手応えをつかんだ。
同組で回った賞金ランキング3位の蟬川が優勝すると、逆転される可能性があった。優勝を阻止したのは、同じ愛知県出身で「お兄ちゃんみたい」と慕っている小木曽。決戦前夜も一緒にご飯に行ったといい「優勝してください、と言っていたので。よかったです」と、五つ上の“兄”に感謝した。
喜びもつかの間。米ツアーの予選会に参加するため、8日には日本を飛び立つ。「来週5位に入ればPGAに出られる」と次のターゲットに照準を定めた金子。史上初となる同年での日本ツアー初優勝と賞金王戴冠を達成した勢いのまま、大きく駆け抜ける。
◆金子駆大(かねこ・こうた)2002年9月4日、名古屋市出身。3歳でゴルフを始め、16年の日本ジュニア選手権(12~14歳の部)で2位となった。愛知のルネサンス豊田高3年だった20年にプロテスト合格。ツアーでは昨季、平均ストロークで7位に食い込んだ。今季は5月の関西オープン選手権で初優勝。11月の三井住友VISA太平洋マスターズで2勝目を挙げた。177センチ、83キロ。