◆第59回ステイヤーズS・G2(12月6日、中山競馬場・芝3600メートル、良) 師走の長距離決戦、第59回ステイヤーズ…

◆第59回ステイヤーズS・G2(12月6日、中山競馬場・芝3600メートル、良)

 師走の長距離決戦、第59回ステイヤーズS・G2は6日、中山競馬場で行われ、2番人気のホーエリートが牝馬として39年ぶりの勝利を飾った。先週のジャパンCで入線後に落馬負傷した戸崎圭太騎手(45)=美浦・田島厩舎=は休まず騎乗し、師弟コンビで重賞初Vへ導いた。

 ゴール後に戸崎がつくったグーサインが全てを表していた。これまで重賞で2着3回のホーエリートが10度目の挑戦で初タイトル。「重賞で2着が何度かあったので、勝てて良かった」と鞍上は安堵(あんど)。「何とかひとつ取らせてあげたい」と口にしていた田島調教師の執念が乗り移り、1986年のシーナンレディー以来39年ぶり2頭目の牝馬による制覇を決めた。

 平地最長の3600メートルで理想通りに運んだ。道中は距離ロスを少なく、インコースの好位を追走。直線で進路を見つけて追い出すと、あとはゴールへ向けて脚を伸ばすだけだった。戸崎は「リズム良く、折り合いもついていい状態で走ってくれた。進路はどこが開くかなと思うくらい余裕と手応えがあった」と振り返る。カピリナで制した函館スプリントS以来、今年2度目の師弟コンビでのV。指揮官は「今日の馬場を含めて戸崎騎手の好騎乗だった」と人馬一体のレース運びを勝因に挙げた。

 先週のジャパンC入線後に落馬した際に左膝をラチにぶつけて負傷。今週の騎乗に黄色信号がともったが、中山1Rを含めて2勝。周囲の不安を打ち消す活躍で、ナルカミで挑む日曜のチャンピオンズCに弾みをつけた。次走は未定だが、きっかけをつかんだ4歳牝馬が長距離界を盛り上げていく。(浅子 祐貴)

 ◆ホーエリート 父ルーラーシップ、母ゴールデンハープ(父ステイゴールド)。美浦・田島俊明厩舎所属の牝4歳。北海道白老町・(有)社台コーポレーション白老ファームの生産。通算成績は15戦3勝。総獲得賞金は1億4932万2000円。重賞初勝利。馬主は吉田晴哉氏。