第104回全国高校サッカー選手権が28日に開幕する。3年ぶり3度目の出場で、冬の全国初勝利を目指す浜松開誠館は、29日の…

第104回全国高校サッカー選手権が28日に開幕する。3年ぶり3度目の出場で、冬の全国初勝利を目指す浜松開誠館は、29日の1回戦で九州文化学園(長崎)と対戦(神奈川・U等々力、午後2時10分)する。日刊スポーツ静岡版では4日から「浜松開誠館 赤き血のイレブン」と題して、チームの顔触れを連載する。第1回は、DF水谷健斗(3年)。県選手権でMVPとベストイレブン、得点王の「3冠」に輝いたサイドバックは攻守でチームに貢献する。

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背番号に恥じないプレーを見せる。水谷は今春の県総体から「14番」をつけてプレー。同校では特別な番号だ。OBのJ2磐田DF松原后(29)やJ1京都DF須貝英大(27)らも高校時代につけた「出世番号」。水谷は「すごくうれしかった。感謝の思いと同時に責任感もより強くなった」と口元を引き締めた。

県選手権では大会MVPとベストイレブンだけでなく、得点王(4得点)も受賞。サイドバックながら積極的な攻撃参加でチームを引っ張ってきた。「自分の持ち味は運動量。チャンスではゴール前に入っていくようにしている」。持久力ではチームトップ。対人の強さも武器の1つで、クロスの精度も高く、セットプレーのキッカーも任されている。

中学までは三重県でプレー。浜松開誠館に進学した理由は「レベルが高い静岡で勝負したかった」。中学3年時には藤枝東と同校の練習に参加し、「開誠館のサッカーが自分のスタイルに合うと思った」と決断した。入学後は1年時の冬にAチーム入り。2年生から右サイドバックでレギュラーの座をつかんだ。青嶋文明監督(57)もさらなる奮起に期待して「14番」を託した。

指揮官は「1番成長させたかった選手だし、いろんな意味で自分の殻を破っていけば、もっとよくなるんじゃないかなと思っていた」。親元を離れて生活し、ハイレベルな環境でチームメートと切磋琢磨(せっさたくま)してきた。水谷は「精神的にも成長できたと思う」と充実感をにじませる。

高校生活最後の大会となる全国選手権での目標は「国立でプレーすること」。まずは九州文化学園との1回戦で同校初となる冬の全国1勝を目指す。「チームのために誰よりも走って、誰よりも戦う姿を見せたい。開誠館らしいプレーを最後までやり続ける」。将来のプロ入り目指す攻撃的サイドバックは勝利のために汗をかく。【神谷亮磨】

◆水谷健斗(みずたに・けんと)2007年(平19)8月22日、三重県生まれ。小1から長島中部SSS(三重)でサッカーを始め、中学時代はヴィアティン三重でプレー。173センチ、66キロ。血液型A。右利き。家族は母、祖父母。