J1柏は3日、柏市内で最終節の町田戦(6日・三協F柏)へ向けた調整を非公開で行った。敵地で対戦した第17節は、雨の影響…

 J1柏は3日、柏市内で最終節の町田戦(6日・三協F柏)へ向けた調整を非公開で行った。敵地で対戦した第17節は、雨の影響もあり0―3で完敗。ルヴァン杯決勝で苦戦したロングスローも武器として持つ相手に、リカルド・ロドリゲス監督は「攻守にわたって明確なコンセプトを持っているチーム。我々も彼らに勝つには最高のパフォーマンスをしなければならない。難しい試合になる」と見据えた。

 勝ち点1差で追う首位の鹿島は、同時刻に横浜FMと戦う。日頃から目の前の試合に集中するよう、選手に伝えているロドリゲス監督は「サポーターたちの反応によって、ピッチに立っている選手が他会場の試合結果に気づく可能性がある。いつもの90分とは違った集中力が重要になる」と、これまでとは異なる雰囲気になる情景をイメージ。試合中は鹿島の結果が指揮官に随時伝えられ、選手にも場合によっては共有される方針だという。

 逆転優勝がかかっていることもあり、気持ちが入る一戦になるが、「モチベーションがありすぎて緊張しすぎてしまう可能性もある。その場合には、それをコントロールしなければならない」と冷静さも重要だと強調した。ただ、ルヴァン杯の決勝、負ければ優勝がなくなる可能性があった前節の新潟戦(3〇1)を経験したことから「メンタル的な部分は心配していない。選手たちは適切な緊張感と集中力で最終節をプレーしてくれると思う」と信頼を見せた。

 最終節での逆転優勝は、1ステージ制では過去に4例。2005年にG大阪、07年に鹿島、13年に広島、17年に川崎がそれぞれ達成した。どの優勝もJリーグの歴史に深く刻まれているが、歓喜の裏で涙を飲んだチームもいる。柏もルヴァン杯決勝で広島に敗れ、準優勝の悔しさを存分に味わった。「(スペインの)オビエドで一緒に働いたことがある偉大な監督、ルイス・アラゴネスも言っていました。『2位のことは誰も覚えていない』と。それが全て。優勝しなければならないと私も思っています」。Aマドリードなどの監督を務め、04年から08年まではスペイン代表も指揮した名将の言葉を借り、優勝への強い思いを示した。