かつての首位打者、松本剛は新天地で復活なるか(C)産経新聞社 ひいきチームのストーブリーグにおける戦力補強といえば、歓迎…

かつての首位打者、松本剛は新天地で復活なるか(C)産経新聞社

 ひいきチームのストーブリーグにおける戦力補強といえば、歓迎すべき事柄ですが、ほとんどの巨人ファンに浮かれた様子はありません。

 今オフ、日本ハムから国内FA権を行使して、巨人へと移籍した松本剛。2022年には打率.347をマークしてパ・リーグの首位打者に輝いたバットマンの加入は、本来なら諸手を挙げて喜ぶべきことなのですが、G党の興味は「人的補償」でいったい誰が日本ハムへ取られてしまうか、に集中しているのです。

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 プロ野球取材歴の長い、スポーツ紙のデスクは言います。

「松本は今季、打率.188と本領発揮できなかった中で、FA宣言の道を選びました。巨人ファンからすれば『打率1割台の選手を獲得するために、将来有望な選手を持って行かれるのか』との理不尽を感じてしまうのです。プロテクトできるのは28人のみ。枠から外れた選手の中にも、G党から将来性を嘱望されている選手が出てしまうのは、避けられないでしょう」

 中でも甲斐拓也、岸田行倫、大城卓三、小林誠司、山瀬慎之助とタレントが揃うキャッチャーは、日本ハムからすれば『宝の山』に見えても不思議ではありません。

「捕手でプロテクトできるのは、おそらく2、3人と予想します。大城や小林、山瀬が外れる可能性もゼロではない。編成に定評がある日本ハムからすれば、松本が出てこのレベルの捕手を確保できれば、ある意味、万々歳の『トレード成立』とも言えるのではないでしょうか」(前述のデスク)

 山瀬といえば今オフ、出場機会を強く求めて他球団でのプレーを模索したい旨を報道陣に語ったことでも、話題になりました。それでも巨人にとっては大切な「未来の正捕手」。ジャイアンツ球場で育て上げた強肩キャッチャーを、ハイそうですかと渡すわけにはいきません。

 そんな中、前述のデスクはこう語るのです。

「本来ならFAで移籍する選手は『ポジションを空けて待つ』などの好待遇で迎えられるもの。しかし松本の場合、人的補償問題も絡んで、不安を感じているファンも多い。このムードを払拭するには来季、とにかくバットで結果を出すしかありません。『打率1割台』では論外です。巨人のリードオフマンとして活躍すれば、G党の心をしっかりとつかむことでしょう。勝負の来季へ、いっそうの努力が求められます」

 まずは日本ハムがどんな選択をするのか、その行方をじっくりと見守りたいものです。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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