大相撲の冬巡業が2日、福岡・糸島市で行われた。横綱・豊昇龍(立浪)が計23番の相撲を取る稽古を行った。指名した突き押し…

 大相撲の冬巡業が2日、福岡・糸島市で行われた。横綱・豊昇龍(立浪)が計23番の相撲を取る稽古を行った。指名した突き押し自慢の平幕に連敗を喫して8敗。ただ、初場所(来年1月11日初日、東京・両国国技館)を見据え「勝ち負けではなく、考えてやった。相手を受け止めることが横綱だから」と意図を明かした。

 最初に幕内・豪ノ山(武隈)を指名すると、勢いある突き押しを受け止めた。土俵際まで攻められ、押し出された。続いて前まわしを許し、またも寄り切られるなどいきなりの4連敗に会場の観客はざわつき始めた。

 だがその後、左上手を取って豪快な投げで勝ってからエンジンがかかる。押して良し、組んで良しで貫録の6連勝。幕内・義ノ富士(伊勢ケ浜)には3戦全勝だった。平戸海(境川)には6勝4敗だった。

 平幕の挑戦を正面から受け止め、先に攻められても余裕を持ってしのいでから、自分の型に持ち込んで勝つことを目指す。横綱昇進後に優勝がない一因は、スピードや技が封じられるとバタついたり、相手の圧力を受け止めきれず一気に土俵外まで持っていかれるからと分析。冬巡業での鍛錬を来年の飛躍につなげたい。

 糸島市では長年、立浪部屋が九州場所で宿舎を構える。豊昇龍には大きな拍手が寄せられた。「恩返ししないとね」。来年は優勝を重ね、強い横綱になって帰ってくる。