プロ野球12球団と日本野球機構(NPB)は1日、都内で理事会・実行委員会を開き、クライマックスシリーズ(CS)ファイナル…

プロ野球12球団と日本野球機構(NPB)は1日、都内で理事会・実行委員会を開き、クライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージの開催方式について議論した。これまでも度々議題に上がっており、レギュラーシーズンの価値をより高めるためのアドバンテージのあり方が論点のひとつとなっている。早ければ来季から新方式にすることを視野に入れている。

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CS制度見直しの最大の目的は、レギュラーシーズンの価値をより高め、優勝争いを最後まで盛り上げるとともに、ファンの納得性を確保することだ。

今季のセ・リーグは、阪神が2位DeNAに13ゲーム差をつけて優勝した。現行制度では勝率5割を下回ったり、首位から大差をつけられたりしたチームがファイナルステージに進出しても、アドバンテージは一律「1勝」で変わららない。

最後までレギュラーシーズンに緊迫感を持たせる意味でも、アドバンテージのあり方が検討されている。勝率やゲーム差によって、ファイナルステージで2位、3位チームが勝ち上がるための必要勝利数を現行の4勝から増やす「5勝制」などの案が挙がっている。また、勝率5割未満のチームが進出した場合に、試合形式を調整する方策も候補として検討されている。いずれも、レギュラーシーズンで積み重ねた成績が、ポストシーズンにより反映される仕組み作りを目指すものだ。

NPBの中村勝彦事務局長(58)は「今は議論の段階。こうしなければならないという確定的な結論は出ていない。継続的に話し合っている状況」と説明。制度の方向性はまだ定まっていないことを強調した。

セ、パ両リーグは原則として足並みをそろえ、同一方式で実施する方向で協議を進めている。今後は12月の事業推進委員会で新制度のたたき台を作成し、来年1月の理事会で本格協議を開始。本年度中に結論がまとまれば、来シーズンからの適用も視野に入れている。

中村事務局長は「今日の段階で確定的なことは言えない」と慎重姿勢を崩していない。CS制度見直しは、レギュラーシーズンそのものをよりドラマ性のある舞台に変えていくための重要な改革課題として、議論の行方が注目されている。【鳥谷越直子】

<CSの主な経過>

◆パだけプレーオフ パ・リーグが04~06年、公式戦上位3球団によるトーナメント方式のプレーオフ制度で優勝チームを決定。消化試合が減り、興行として成功したこともあり、セも07年に導入した。

◆呼称 07年以降の呼称は「クライマックスシリーズ(CS)」となる。ファンに公募し、2000件近い応募の声を参考に決定。

◆4戦先勝 07年最終ステージはアドバンテージがなく3戦先勝。08年から公式戦1位チームに1勝のアドバンテージが与えられ、4戦先勝となった。

◆3位が3度突破 これまで10年ロッテ、17年DeNA、24年DeNAが公式戦3位から最終ステージを突破。10、24年は日本シリーズも制した。24年DeNAは公式戦71勝69敗3分け(勝率5割7厘)で、日本シリーズ進出球団では史上最低勝率だった。