ソフトバンクで声価を高めた有原(C)産経新聞社 ベテラン右腕はどこへ行くのか。ソフトバンクから自由契約となる見込みの有原…

ソフトバンクで声価を高めた有原(C)産経新聞社
ベテラン右腕はどこへ行くのか。ソフトバンクから自由契約となる見込みの有原航平の動向が注目を集めている。
現在33歳の有原は、2020年オフにメジャー挑戦を表明し、ポスティングシステムでレンジャーズに移籍。しかし、21年に執行した右肩の手術の影響に加え、中4日での先発登板を余儀なくされる環境に苦心。在籍2年間で通算成績は3勝(7敗)、防御率7.57と思うようなパフォーマンスを発揮しきれずに帰国を決意。
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古巣である日本ハム復帰が囁かれる中で、23年からソフトバンクと3年契約を締結。NPBに復帰してからはローテーション軸として奮闘し、3年連続2桁勝利を達成。2年連続の開幕投手の大役も務めた今季は14勝をマークし、2年連続の最多勝を獲得。チームの日本一奪還に貢献した。
いまだソフトバンク残留の芽も残ってはいる。しかし、契約満了時に、FAとなる条項を盛り込んでいた本人は、メジャーリーグに再挑戦を果たす意思を持っているという。
そんなベテランの動静を伝えた『MLB Trade Rumors』は、NPB復帰後の有原のパフォーマンスを「ソフトバンクとの契約下にあった3シーズン、アリハラはしっかりと活躍し、素晴らしい成績を残した」と指摘。メジャーリーグから離れる原因ともなった右肩の故障に対する懸念については、次のように論じている。
「33歳になったアリハラは、前回のメジャー挑戦時に彼を苦しめた(右肩の)健康問題からはすでに脱し、2年連続で175回以上を投げている。本人が望んでいると伝えられるMLB復帰に向けては確かな勢いをつけている」
33歳という年齢を考えると、MLB復帰の道のりは平たんではない。ただ、昨オフにオリオールズと最高35万ドル(約5250万円)のオプションが付帯する1年1300万ドル(約20億円)の契約を手にした菅野智之のような例もある。
当時35歳だった右腕もパワー不足などの懸念がありながら、抜群の制球力とイニングイーターとしての能力が評価され、メジャー契約を勝ち取った。“ルーキー”だった菅野とは立場は異なるが、有原も安定感には事欠かない。「単年契約ならば」と、鵜の目鷹の目の米スカウト陣の網に引っかかる可能性はゼロではないと言えよう。
また、今オフのMLBにおけるFA市場は先発投手の大物が決して多いわけではない。ゆえに中程度の費用で実績豊富な投手を手に入れたい球団が、「確かな勢いをつけている」と評される有原の獲得に興味を示しかもしれない。
無論、NPBの他球団も関心を寄せる。すでに巨人などが動向を注視していると報じられ、日米間での競争は必至の情勢だ。
果たして、有原はどう動くか。彼の動静は今オフの小さくないトピックとなりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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