「明治安田J1、神戸0-0FC東京」(30日、ノエビアスタジアム神戸) J1神戸の吉田孝行監督(48)が30日のFC東…
「明治安田J1、神戸0-0FC東京」(30日、ノエビアスタジアム神戸)
J1神戸の吉田孝行監督(48)が30日のFC東京戦(ノエスタ)後、ホーム最終戦セレモニーで退任を発表した。あいさつでファン、サポーターの前に立つと「今季限りで退任することにしました」と涙で声を詰まらせながら発表。2022年途中から神戸で3度目の監督に就任し、23、24年リーグ連覇。24年は天皇杯も優勝した。今季は天皇杯準優勝。来年からは他クラブで指揮を執ると明かした。J1清水入りの可能性が浮上している。
セレモニーの場で突然、吉田監督はファンに別れを告げた。「今シーズンもタイトルを目標に頑張ってきましたが、獲得できず申し訳ありません。今季限りで退任することにしました」。スタンドが驚きとどよめきに包まれると、指揮官の目から涙があふれた。
クラブ30周年で3連覇を目指した今季は、開幕からケガ人が相次ぎ、この日でリーグ5位。2連覇をかけて戦った天皇杯は惜しくも準優勝だった。降格争いの22年途中に監督を引き受けて残留を決めると、FW大迫勇也(35)らを中心としたハードワークのサッカーを貫き23、24年を連覇。Jリーグ屈指の強豪に育てたが、勝ち続けることの難しさを味わったシーズンでもあった。
会見では、夏以降から続投に関する話は続けていたものの、「自分の今まで勝ってきた方針と少しズレがあった」と、結果的にクラブからオファーを得られなかったことを明かした。この日の試合後、ロッカールームで選手に退任を伝えたいう。セレモニーであいさつに立った主将のDF山川哲史(28)も涙をこらえきれなかった。
来年は他クラブの監督を務めることも明かした。「国内外でいくつか話をいただき、(契約の)リミットもある中で決めた」と説明。清水入りの可能性が浮上しているほか、韓国の一部報道ではKリーグの蔚山が監督候補に挙げているとされる。
3年半、実力主義で選手を競争させて結果を残した名将は「自分と道は違うが、神戸は来年以降も強いチームであるのは間違いない」とエールを送り、惜しまれながらピッチを後にした。
◇吉田孝行(よしだ・たかゆき)1977年3月14日、兵庫県川西市出身。滝川二高のとき、U-17世界選手権に中田英寿、宮本恒靖らとともに出場した。95年に横浜Fに入団し、合併に伴い横浜M移籍。2008年に神戸に移籍し、13年に引退した。17、19、22年とシーズン途中から神戸監督に3度就任。21年はJ2長崎を指揮した。