<国内女子ゴルフツアー:JLPGAツアー選手権リコー杯>◇最終日◇30日◇宮崎CC(6543ヤード、パー72)◇賞金総額…

<国内女子ゴルフツアー:JLPGAツアー選手権リコー杯>◇最終日◇30日◇宮崎CC(6543ヤード、パー72)◇賞金総額1億2000万円(優勝3000万円)

首位と2打差の3位から出た岩井千怜(23=Honda)は、逆転での今季2勝目、国内ツアー通算9勝目を目前で逃した。正規の18ホールを7バーディー、2ボギーの67と5つ伸ばし、通算9アンダー、279。最終組の1組前でプレーし、ホールアウト時点では、最終組の鈴木に1打及ばなかった。だが最終18番パー4で鈴木がボギーをたたいて並んだ。18番の繰り返しで行われたプレーオフは2ホール目でボギーをたたき、力尽きた。

ホールアウト後は「やり切ったという思いです。鈴木さんのプレーが素晴らしかったです。結果は悔しいですけど、やり切りました。悔いはないです」と、すがすがしく笑顔を見せて振り返った。今季は開幕戦のダイキン・オーキッド・レディースを制し、今季から主戦場を移した米ツアーでも1勝。国内メジャー初優勝で、一段と存在感を見せたかったが敗れた。

正規の18ホールは、最高のスタートを切った。1番パー4で第2打を3メートルにつけ、幸先よくバーディーを奪った。すると2番パー5は第3打を再び3メートルにつけて連続バーディー。この時点で、最終組の鈴木と、もう1人、首位から出た金沢志奈が、ともに1番をボギーとしていたため、入れ替わりで単独首位に立った。勢いは止まらず、3番パー4は、第2打を2・5メートルにつけて3連続バーディーを達成。ロケットスタートに成功した。

6番で最初のボギーをたたくなど、その後、伸び悩む間に、鈴木の他に金沢、古江彩佳、阿部未悠にも並ばれ、一時は5人が首位に並ぶ大混戦となった。それでも9番から再び3連続バーディーを奪い、9番から4連続バーディーとした鈴木とのマッチレースとなった。「途中でトップにいるというのは分かっていました」と、重圧を感じながらも冷静にプレーした。

ただ、その中で16番パー3は「やっちゃった、って思いました」と、1打の重みが増してきた中で痛恨だったと振り返った。それでも17番パー4で、5メートルのバーディーパットをバウンスバックに成功し、踏みとどまった。逆転優勝への望みをつないでいた。

今季は国内ツアーは出場7試合中、トップ10入りは実に6試合(米ツアーと共催のTOTOジャパン・クラシックを含む)。抜群の安定感を示したまま今季を終えた。「高い壁に挑戦した1年だった。来年はさらに上を目指したい」。来年、選手としてまた一回り、大きくなることを誓った。