＜国内女子ゴルフツアー：JLPGAツアー選手権リコー杯＞◇最終日◇30日◇宮崎CC（6543ヤード、パー72）◇賞金総額…
＜国内女子ゴルフツアー：JLPGAツアー選手権リコー杯＞◇最終日◇30日◇宮崎CC（6543ヤード、パー72）◇賞金総額1億2000万円（優勝3000万円）
首位から出た鈴木愛（31＝セールスフォース）が、逃げ切りで今季2勝目、通算22勝目を挙げた。金沢志奈と並び、3位に2打差をつけて最終組でスタート。6バーディー、3ボギーの69と3つ伸ばし、通算9アンダー、279。同スコアで並んだ岩井千怜とのプレーオフを制して、16年の日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯以来、9年ぶりの国内メジャー優勝を果たした。
出だしの1番パー4で、第2打をバンカーに入れるなどしてボギー発進した。2番パー5をバーディーとし、バウンスバックに成功したが、直後の3番パー4で再びボギーが先行した。その間に、1つ前の組で回っていた岩井千怜が、出だしから3連続バーディーとしていたため、3ホールを終えて2打差を追う展開となっていた。それでも慌てず、パーを並べてチャンスを待った。すると7番パー4で2つ目のバーディーを奪ってスタート時点の6アンダーに戻すと、9番からは4連続バーディーの猛チャージ。一気に首位奪還を果たした。
前日29日の第3ラウンド終了後には「もちろん最終戦でメジャーなんで、優勝できたらいいと思いますけど、あまりメジャーっていうことに、こだわりすぎてない。ここ数カ月、悪かった中で、いい結果を残して終わりたいっていうのが1番強い。本当に、いつもの1試合っていう感じで戦ってます」と、冷静に戦っていると強調していた。
コース外でも「あまり、その地方の名物とかは食べないんですよね」という鈴木が、宮崎では楽しみにしていた食べ物があった。それが、宮崎牛を使った「牛ひつまぶし」で「最高です」と、うなっていた。エネルギーをチャージし、心身万全で臨んだ。黄金世代、ミレニアム世代、新世紀世代、ダイヤモンド世代…。さまざまな世代の後輩ゴルファーが現れても、常に壁となって立ちはだかってきた。世代ではなく「鈴木愛」という個人の強さは変わらない。第一人者健在を示す、シーズンの締めくくりとなった。
◆鈴木愛（すずき・あい）1994年（平6）5月9日、徳島県三好郡生まれ。11歳からゴルフを始め、鳥取・倉吉北高1、2年時の10、11年にJGAナショナルチーム育成選手。卒業後の13年プロテスト合格。下部のステップアップ・ツアーは同年と翌14年の2勝。同じく14年国内メジャーの日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯でレギュラーツアー初優勝。以降、今大会まで通算22勝。17年に日本人として4年ぶりに賞金女王（現年間女王）となり、19年に2度目の戴冠。今季の年間順位は6位。155センチ。
