日本陸上競技連盟は29日、東京・国立競技場で年間表彰式「日本陸連アスレティックス・アワード2025」を開催し、最優秀選手…
日本陸上競技連盟は29日、東京・国立競技場で年間表彰式「日本陸連アスレティックス・アワード2025」を開催し、最優秀選手賞にあたる「アスリート・オブ・ザ・イヤー」に女子競歩の藤井菜々子(26=エディオン)を選出した。
藤井は9月の世界選手権東京大会20キロ競歩で日本新記録(1時間26分18秒)を樹立し、銅メダルを獲得。五輪を含めた世界大会では日本女子競歩界初の快挙を達成し「一番良い賞をいただくことができて、『メダルを取った』という実感が湧いてきた」とほほ笑んだ。メダルの重みも実感しているようで「入賞とメダルでは全然違う。メダルがあるだけでみんな喜んでくれる。それが何よりもうれしかった」とかみしめた。
式典では、今月27日に現役引退を正式発表した岡田久美子からトロフィーを受け取った。五輪3度、世界選手権6度代表の日本女子競歩の第一人者。藤井にとっては、競歩の道をきわめるきっかけとなった人物でもあり「泣きそうになった。すぐにはかっこいい先輩にはなれないけれど、岡田さんが今まで作り上げてくださった女子競歩の歴史を受け継いで、これからは自分が後輩たちに姿で見せていきたい」と決意を新たにした。
世界陸連(WA)は26年以降の国際大会競歩種目の距離改定を発表しており、20キロはハーフマラソン(21・0975キロ)に変更される。距離が伸びるが「特に練習は変えない」といい「競技時間が増えるというイメージでやっていきたい」と対応する構え。競技人生の最大目標の金メダル獲得へ向け、27年世界選手権北京大会では再びメダルを目指す。「身近で夢を与えられる存在であり続けるよう励みたい」と思いを込めた。