ソフトバンクが台湾プロ野球味全の徐若熙(シュー・ルオシー=25)投手を獲得することが28日、分かった。ドジャースや日本ハ…

ソフトバンクが台湾プロ野球味全の徐若熙(シュー・ルオシー=25)投手を獲得することが28日、分かった。ドジャースや日本ハムなど日米複数球団による争奪戦を制した。23年の台湾シリーズでMVPを獲得した最速158キロの本格派右腕。制球力も抜群で先発陣の一角を期待される。3年契約が満了する有原航平投手(33)と国内FA権を行使した東浜巨投手(35)の去就が不透明な中、リーグ3連覇と2年連続日本一へ、台湾のエースを迎え入れ、補強第1弾を敢行する。

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強力な助っ人右腕が福岡にやってくる。かねてより獲得調査を行っていた台湾のエース、徐若熙(シュー・ルオシー)がソフトバンク入りを決断した。中華職業棒球大連盟(CPBL)は10月29日に徐若熙が海外移籍制度(ポスティングシステム)を申請したと発表しており、球団はその動向を注視。3年総額10億円超の大型契約を提示したもようで、ドジャースや日本ハムなど日米複数球団との争奪戦を制した。

徐若熙は19年ドラフト1位で味全入りし、23年の台湾シリーズではMVPを獲得。最速158キロの直球と抜群の制球力が魅力で、今季は19試合で5勝7敗だったが防御率2・05の安定感を誇った。球団幹部は9月下旬に台湾で現地視察を行い、11月上旬に水面下で接触。徐若熙を福岡に招いて球団施設を紹介し、さらに会食では王会長も出席して獲得への熱意を伝えた。その後は城島CBOが再び渡台してアタック。永井智浩編成育成本部長兼スカウト部長(50)が以前に「まだまだこれから伸びる選手」と言及していた逸材だ。

ソフトバンクの先発補強は急務だった。2年連続最多勝を獲得した有原は3年契約が満了して来季去就が不透明。三笠GMは11月12日、有原に対して「残ってもらいたい」と話していたが、来季の保留者名簿から外れ、他球団流出の可能性がある。さらにベテラン東浜も国内FA権を行使。宣言残留を認めているものの、経験豊富な先発2人が同時に退団する危機にある。来季はモイネロ、上沢、大関、大津らが先発の軸として期待されるが、リーグ2連覇中の王者への他球団のマークはさらに強まる。3連覇と2年連続日本一へ、まずは台湾球界のエース右腕を補強。小久保ホークスが着々と戦力整備を進める。

◆徐若熙(シュー・ルオシー)2000年11月1日、台湾・桃園市生まれ。平鎮高から19年ドラフト1位で台湾・味全に入団。20年は右肘痛で未登板も、21年の初登板で球数制限がある中、3回2/3を投げアウトを全て三振で奪う快投。22年にトミー・ジョン手術を受け、23年に実戦復帰。通算成績は64試合登板、16勝18敗、防御率2・42、349奪三振、奪三振率10・30。180センチ、76キロ。右投げ右打ち。