新庄監督にとっても就任5年目となる来季は頂点しか見ていない(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext 現役時…

新庄監督にとっても就任5年目となる来季は頂点しか見ていない(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
現役時代は西武、巨人で活躍、引退後は楽天で監督を務めた大久保博元氏と、近鉄、楽天で活躍した礒部公一氏がスポーツアンカー・田中大貴氏のYouTubeチャンネル「アスリートチャンネル」にゲスト出演。近年躍進が目立つ日本ハムについて、強さのワケを口にした。
2025年シーズンは2年連続となる2位フィニッシュ、そしてCSファイナルSで今年も敗退とあと一歩のところで手が届かなかった。だが、年間83勝(昨年は75勝)、さらにはCSファイナルSでは後がない3連敗から3連勝で「逆王手」をかけるなど、確実に地力をつけてきている。
新庄剛志監督となってからは、2022年、23年と2年連続最下位から2位、2位と近年はAクラスをキープ、リーグ優勝争いをするまでに成長を果たした。
大久保氏と磯部氏は、日本ハムが強くなった2つの理由を口にした。チームの根幹ともされる「育成とスカウティング」だった。
「育成は本当に上手」と大久保氏。長年、育成には定評のあったチームだが、近年それが顕著にあらわれはじめている。大久保氏、磯部氏ともに他球団の2軍コーチを務めていたときにその「凄み」を見ていたとする。
具体的には育成プランに沿って、打席数なども決められており入団直後のファームの選手においても「打っても打たなくても、ずっと使ってました」(磯部氏)と、球団一体となって成長を促すシステムが構築されているとした。
さらに「あとはスカウティングがいいんでしょうね」と磯部氏。「元気な選手を獲っている」と大久保氏もスカウト陣の眼力の確かさも躍進の背景にあるとした。
さらに新庄監督就任以来、選手の成長を重視した起用も多くみられている。その点で今季、大ブレイクを果たしたのが、高卒4年目の達孝太だろう。
今季NPB記録となる、1軍デビューから全試合先発で7連勝という快挙を成し遂げるなど、今季は自己最多の8勝を挙げ防御率2.09をマーク。飛躍の年となり、先発投手陣を支える1人としてチームに貢献を果たした。
ソフトバンクとのCSファイナルSでは2試合に投げ、自責1と堂々たる投げっぷりも話題を呼んだ。チームは日本シリーズ進出は叶わなかったが、負けられない試合を託されるなど指揮官からの期待の大きさがみえた。
チームでは達以外にも今季、「骨太の投手陣」が話題を呼んだ。先発完投できる投手が多く育ち、沢村賞初受賞となった伊藤大海を筆頭に、ドラフト8位入団の北山亘基、育成出身の福島蓮や柳川大晟など、チームの強みである「育成の力」で、他球団垂涎の「投手王国」を作り上げてきた。
その背景には、選手の背中をしっかり押す、ビッグボスこと新庄監督の存在が大きいのは言うまでもない。
今季はシーズンで83勝まで積み上げながら、王者ソフトバンクにはあと一歩手が届かなかった。その悔しさをいかに晴らすか。スカウティングと巧みな育成術で年々チームの底上げを図る日本ハム。「来年はもっと強くなる」と大久保氏も太鼓判を押す。
新庄監督も勝負を賭ける5年目の来季こそ、集大成とも言える布陣で頂点を狙う。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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