エンゼルスで怪我に苦しみ、満足のいく活躍が出来なかったレンドン(C)Getty Images このまま幕引きとなれば、衝…

エンゼルスで怪我に苦しみ、満足のいく活躍が出来なかったレンドン(C)Getty Images
このまま幕引きとなれば、衝撃を生むのは必至だ。現地時間11月26日、米スポーツ専門局『ESPN』のエルデン・ゴンサレス記者は、エンゼルスが2026年シーズン終了までとなっているアンソニー・レンドンとの7年契約をバイアウト(買い取り)する協議を行ったと報道した。
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球団の期待を裏切った感は否めない。今季35歳となったレンドンはナショナルズ時代に球界屈指の三塁手として活躍。2019年には打率.319、44二塁打、126打点をマークし、ナ・リーグ打点王にも輝きチームのワールドシリーズ制覇を支えた。
そして、19年オフにFAとなってエンゼルスと7年総額2億4500万ドル(約383億円)の大型契約を締結。マイク・トラウト、大谷翔平(現ドジャース)と並ぶ打線の核としての期待がされたが、加入後は左鼠径部、左膝、左ハムストリング、左すね、左腹斜筋、腰、両手首、両股関節と、相次ぐ故障に苦心。25年シーズンも股関節手術の影響で全休するなどほとんど稼働できないままの状態となっていた。
満身創痍の状態だったにせよ、レンドンのエンゼルス移籍後の稼働率の低迷ぶりは衝撃的だ。過去5年間で21年シーズンの58試合が最高。チームが810試合を消化した感の出場パーセンテージはなんと20%しかないのである。
時に「もし野球を優先しなければならないなら辞める」と公言するなどネガティブな発言も目立っていた。そんなベテランの存在は、チームにとっても芳しくはない。24年にエンゼルスに在籍していた
ケビン・ピラー氏は、米野球専門YouTubeチャンネル『Foul Territory』において「はっきり言うと、彼は野球が好きではない。彼はおそらく最も誤解されている人だよ。でも、結局、彼にとって野球は仕事だったんだ」と証言。その上で「エンゼルスは今回の取引に感謝しているはずだ」と論じた。
「きっと球団の関係者たちは、レンドンが試合に出ていた時に全力を尽くしていたとは思っていないと思う。トラウトに対してはそういう不満を漏らす人はない。彼はいかなる時もチームに努力する姿勢を見せていた。それは自分も見た。でも、レンドンは違った。
結局、エンゼルスは、レンドンを次の春季キャンプに参加させないことで、若手たちが練習をサボったり、ゴロの処理を怠ったりといった悪影響を受けたりするのを防ごうとしたのかもしれない」
いまだ本人と協議中ではあるものの、『ESPN』によれば、残る3800万ドル(約59億円)分の支払いを後払い込みで買い取る意向だという。そうした動静を鵜呑みにすれば、ピラー氏の指摘するレンドンの怠惰な姿勢を排除する考えがチームにあるというのは頷ける。
来季からカート・スズキ新監督を迎え、再建を目指すエンゼルス。大型補強も見込まれる中で、35歳のベテラン切りは何をもたらすのか。その交渉は名門の命運を左右しそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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