巨人育成直江大輔投手(25)が現役引退を決断したことが25日、分かった。球団のアカデミーコーチに転身する。直近2シーズン…
巨人育成直江大輔投手(25)が現役引退を決断したことが25日、分かった。球団のアカデミーコーチに転身する。直近2シーズンは1軍登板なく、今季は育成選手の立場だったが2軍公式戦での出番もなかった。戦力外通告を受けてからはNPB球団での現役続行を模索したが、プロ7年間に終止符を打ち、ユニホームを脱ぐ決断をした。
後悔はない。晴れ晴れとした気持ちで次の人生へと進む。「戦力外になってから、いろいろなお話もいただいてありがたかったのですが、次のステップに進むことに決めました」。松商学園(長野)から18年にドラフト3位で入団。高卒2年目では当時の原辰徳監督に「新人王をとらせる」とまで言わせた期待のホープだった。22年に先発としてプロ初勝利を記録。23年にはリリーバーとして開幕1軍入りを果たすと一時は勝ちパターンを務めるなど、自己最多16試合で防御率3・86、6ホールドの好成績を残した。
しかし昨季は1軍登板なく、オフに戦力外通告。1度はクビも宣告されながら、育成選手として再契約を結んだ。背水の陣で挑んだ今季だったが、育成選手として2軍での登板もなし。2年連続で戦力外通告を受けた。引退の決断に際し「たくさんの方にお世話になった。僕自身はすっきりしているのですが、悔しい気持ちがあるとすればそういった方々にもっと活躍している姿を見せられたら良かったなと思います」と言った。
スパイダーマンやマーベル映画などアメリカンコミックが大好きだった。少年時代からヒーローに憧れ続けた右腕は言う。「マルチバース(多元宇宙)じゃないですけど、違った世界線があったとしても、巨人で過ごした7年間で出会えた人や経験できたことは何より幸せだったなと思います。別次元の直江大輔とともに引き続き応援してもらえるとありがたいです」とアメリカンジョーク?も交えた。今後はアカデミーコーチとして新たな人生を歩み出す。気持ちは変わらない。表舞台じゃなくても、陰で支えるヒーローだっている。【小早川宗一郎】